「自主外交」カテゴリーアーカイブ

小沢一郎氏「安倍総理のTPP交渉への参加表明を受けて」(平成25年3月15日)

 2013年3月15日、安倍晋三首相がついにTPP交渉参加を表明した。TPP参加は国家主権の放棄であり、国体の破壊に直結する。経済界の一部の利益のために、国体を破壊するようなことは断じて許してはいけない。
 残念なことに、日本維新の会とみんなの党は自民党以上にTPPに積極的だ。こうした中で、同日生活の党代表の小沢一郎氏が明確な声明を出している。

〈本日、安倍晋三首相が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加表明を行った。生活の党はかねてより、TPPが単なる自由貿易協定ではなく、日本国民の命と暮らしを脅かし、社会の仕組みの改変を迫る異質な協定であることから強く反対してきた。しかし自公政権が日本の国益を守るより、米国の言いなりになり、TPP交渉に参加表明したことは、国家百年の大計にもとる重大な誤りであり、即時撤回を強く求める。
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対米自立(日本独立)派の連携が急拡大!

 
 平成24年11月22日、「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党」(代表:山田正彦、幹事長:亀井静香)と減税日本(代表:河村たかし)が合流し、新党「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」の結成が決まった。山田、河村両氏が共同代表、亀井氏が幹事長、小泉俊明氏が幹事長代理に就く。対米追従・新自由主義を批判してきた小林興起氏も参加する。
 党名通り、当面の政策課題として、反増税(減税)、反TPP・脱原発を前面に打ち出す新党の特徴は、「日本独立」の重視である。山田氏は「アメリカの言いなりにはならない」と繰り返し強調しており、新党は「自主外交の展開」「沖縄米軍基地問題の解決」なども公約に掲げる方針。
 反増税(減税)、反TPP・脱原発の実現のためには、植草一秀氏が言う「悪徳のペンタゴン」(政治屋(政)・特権官僚(官)・大資本(業)・米国(外)・御用メディア(電)」の中枢「アメリカ」からの干渉をはねかえす必要がある。
 新党は、「国民の生活が第一」「みどりの風」とも連携し、「日本独立」「対米自立」の旗を高々と掲げて、選挙を戦ってもらいたい。
 マスコミは、「新たな第3極」とか「第4極」などと表現しているが、真の争点は「対米従属」か「対米自立」かであり、「極」はその二つしかない。
 日本維新の会への参加を余儀なくされた対米自立派も、いずれ「日本独立」「対米自立」の旗の下に戻ってくる。いずれにせよ、次の選挙では、対米追従の政治家を全員落選させるべきだ。

対米自立派の必読書(作成途中)

対米自立派の必読書

 

著者 書籍写真 書名 出版社 出版時期
清水幾太郎 日本よ国家たれ―核の選択 文藝春秋 1980年9月
片岡鉄哉 黒船待ちの日本―ゴーリズム国家をめざして 日本教文社 1982年1月
江藤淳 日米戦争は終わっていない―宿命の対決 その現在、過去、未来 新版 ネスコ 1987年6月 続きを読む 対米自立派の必読書(作成途中)

「森本敏防衛大臣は『日米安保利権』の中心だ」と

一水会の木村三浩代表は『月刊日本』9月号に掲載されたインタビュー記事で、わが国防衛産業振興の観点からのオスプレイ導入反対論を展開した上で、次のように語っています。
〈知識人すらも日米安保体制という既定路線に囚われてしまっているということだ。しかし、日米安保体制を強化することで日本の国防を強化するという主張は、到底受け入れられるものではない。なぜならば、これはアメリカの属国という立場に基づく主張だからだ。この主張は、中国の属国にならないために、ますますアメリカの属国になるべきだというようなものではないか。
このような主張の背後には、日米安保体制を維持することによって成り立つ利権構造が存在していると言わざるを得ない。政治家、外務・防衛官僚、防衛産業、学者、マスコミが「日米安保利権」を貪っており、森本敏防衛大臣はその中心的な人物だ。もし、利権の維持のために日米安保の固定化を主張するような輩がいるとすれば、それは愛国者の皮を被った売国奴に他ならない。
我々は、独立自尊の日本を志向する立場から、日米関係を論じなければならない。確かに日米の友好関係はあって然るべきだろう。しかし対米関係において、日本が属国として主従関係を結ぶということと、日本が独立国として対等な関係を築くということは、全く別の話だ。日米安保体制から脱却することと、「日米関係」を継続することは、区別して考えなければならない。〉

EAECを支持した古川栄一

 

元外務官僚の古川栄一は、『貿易と関税』、『世界週報』、『諸君!』等を舞台に、1990年にマハティール首相が提唱した東アジア経済会議(EAEC)構想を支持する言論活動を展開し、志半ばで斃れた。古川は、1953年外務省入省、在タイ大使館参事官を経て、国連アジア太平洋開発センター副所長を務め、1991年に日本国際戦略センターを設立した。
1997年12月に「ASEAN+日中韓」(ASEAN+3)首脳会議がクアラルンプールで開催された際の日本政府の混乱について、古川は次のように書いている。 続きを読む EAECを支持した古川栄一

「八紘為宇の使命は、我が国の天職である 明日のアジア望見 第80回」『月刊マレーシア』506号、2009年11月30日

十二年前に起こったことが再び繰り返されようとしている。
当時、マレーシアをはじめとするASEAN諸国は、「ASEAN+3(日中韓)」の枠組みの会議開催に意欲を見せていたが、日本政府は、日本が参加の意志を見せなければ、この構想は実現しないと高をくくっていた。ところが、ASEAN側は、日本が不参加ならば、中国、韓国だけで「ASEAN+2」会談を開催するとの意志を固めたのである。マハティール首相のEAEC(東アジア経済会議)構想を支持する言論活動を続けてきた古川栄一は、次のように書き残している。
「日本はEAECに参加しないから、EAECは自然死すると豪語した。アセアン側は、そこで日本抜きで、しかも中国(および韓国)の参加のみでEAECの首脳会議を開催することにした。そうして日本の池田外相は、跳び上がるようにして驚いて、日本は首脳会議に参加した」(古川栄一「アジアの平和をどう築きあげるか」(歴史教育者協議会編『歴史教育・社会科教育年報〈平成十三年版〉二一世紀の課題と歴史教育』三省堂、平成十三年)二十四頁)。 続きを読む 「八紘為宇の使命は、我が国の天職である 明日のアジア望見 第80回」『月刊マレーシア』506号、2009年11月30日

「対米自立のために自主防衛体制を確立せよ 明日のアジア望見 第78回」『月刊マレーシア』504号、2009年7月10日

 北朝鮮がミサイルを発射した翌日の五月二十七日、アメリカの政治評論家チャールズ・クラウトハマー氏は、フォックス・ニュースに出演し、北朝鮮の核開発阻止のための交渉というゲームはすでに終わったと指摘した上で、いま北朝鮮に対して取るべき行動は、日本が核武装国家として宣言するよう勧めることだと語った。彼は二〇〇三年一月にも、『ワシントン・ポスト』紙で、中国に北朝鮮の核開発を阻止させるためには、「ジャパン・カード」(日本の核武装)を切るしかないと主張、二〇〇六年十月にも、ブッシュ政権が日本の核武装を支持するよう訴えていた。ブッシュ大統領のスピーチ・ライターを務めたデビッド・フラム氏もまた、二〇〇六年十月にブッシュ政権に対して、日本に核拡散防止条約(NPT)の破棄と核抑止力の構築を奨励すべきだと書いた。 続きを読む 「対米自立のために自主防衛体制を確立せよ 明日のアジア望見 第78回」『月刊マレーシア』504号、2009年7月10日

西脇文昭氏の外交論

対等願望に注目

 西脇文昭氏の「21世紀日本外交のグランド・デザイン」が話題になっている。もちろん、この論文には「個人的見解」との断わりがついているが、防衛大学校助教授によるこの論文が外交防衛政策関係者に与える影響は、決して小さくはないだろう。 続きを読む 西脇文昭氏の外交論

田中角栄の外交とアメリカ

独自の資源外交を展開

 資源小国日本にとって、資源の確保は最も重要な外交課題の一つである。だが、資源外交を基軸にし、主体的な外交を展開した政権は少ない。こうした中で、田中角栄政権は異色だった。
田中首相は、1973年頃から、独自の資源外交を展開していた。まず同年秋、仏、英、西独、ソ連を次々と訪問し、石油、ウラン鉱石、天然ガス等の共同開発について議論している。 続きを読む 田中角栄の外交とアメリカ