令和5年11月6日に開かれた規制改革推進会議の第1回地域産業活性化ワーキング・グループで、一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会が提出した資料は、ライドシェアの問題点を以下のように整理している。
(1)ライドシェア、課題が多く、日本に合いません。
•事故は起こります。100%。責任は誰が? 運転手が個人事業主では無理。運行・整備管理の主体が利用者保護に絶対必要。ネットではアジャイル開発OK、人命で試行錯誤は無謀。
•安全規制は厳格化の一途。軽井沢スキーバス事故・千葉八街児童5人死傷事故等の度に。12月白ナンバートラックのアルコールチェック義務化・来年4月貸切バス点呼動画保存3ヶ月義務化、が最新。
•運転手の労働時間管理、責任は誰が? トラック2024年問題はタクシーも同じ。益々厳しい残業規制は労働者保護と安全の為。厳しく時間管理しているタクシーやトラックの乗務員がライドシェアやって事故起こしたら、何の為の時間管理?
•運転手の社会保険、ナシで良いのか? 雇用契約ではパートでも週20時間以上は社保適用。社保の担い手増加、という国の方針と逆行して、ワーキングプア層を増やして良いのか?
•ライドシェア禁止は日本だけ、ではない! 韓国や香港でも禁止。OECD加盟国8割で規制・禁止。発祥の米中でも台数・最低賃金・福利厚生規制が進行中。堂々と日本独自の道を!
•「海外ライドシェア体験良かった」という方へ。 65万回乗ると性犯罪に遭遇。性的暴行が年998件、日本の45倍。日米差考慮後も日本の5倍。解禁で年100件の性的暴行予測。誰が責任を?
•海外ではライドシェアから自動運転タクシーへ。 東京でも5年以内に始まります。百聞は一件にしかず、ぜひアリゾナで体験を。ライドシェアよりこちらが本命、日本経済にとって!
(2)タクシーの規制緩和をライドシェアの前に、イコールフッティングを!法治国家として。
•地理試験は廃止を。 ナビのない時代、昭和44年の法律に基づいた厳しい試験は、乗務員増加の足枷です!
•二種免許は効率化を。 8日間もの受験プロセスをDX・柔軟・短縮し、先端安全車両限定などデジタル活かした二種免の新設を。
(3)地域毎に、データで、論理的な議論を。
•感情的でなく論理的・データドリブンな議論を。 「タクシーに乗れなかったライドシェアだ!」でなく、いつ・どこで・どれだけ足りないのか分析を。「実車率」は良いKPIの一例。
•類型1)観光地:ピーク時にだけタクシー不足。 例えば実車率50%超のニセコに、この冬、タクシー車両と乗務員を札幌と東京から3ヶ月派遣する「ニセコモデル」を予定。区域外営業の特例・遠隔点呼という規制緩和の恩恵。白馬等も視野。
•類型2)地方・過疎地:事業性なくタクシー不足。 公共交通だがバスと違い赤字補填ナシ。最低5台・専用施設という設置要件が緩和され町役場やホテルの一角で1台からという「ミニ営業所」が誕生、全国4900コース・1.5万台のデマンドタクシーと相乗効果で足確保。
•類型3)都市部数年でタクシー不足解消へ。 羽田空港・東京駅八重洲口タクシー乗り場等、「回転が悪い」のがタクシー待ちの原因、車はあります。若手・パート含め乗務員もドンドン増加中。実車率それ程高くなく東京49%・名古屋43%)数年でタクシー不足解消へ。
(一社)全国ハイヤー・タクシー連合会会長 川鍋一朗 2023年11月6日
(A)特定産業の指定 合金鉄・特殊鋼・自動車・自動車タイヤ・石油化学その他これに準ずる産業で政令で定められた業種であつて、当該業界の申し出により、産業合理化審議会の意見を聞いて政令で指定される。
(B)振興基準 特定産業が指定されたときは、主務大臣・当該産業界代表・金融界代表・大蔵大臣が当該特定産業の振興をはかるための基準(規格の整備、生産専門化、設備投資の適正化、合併等に関する事項)について討議し、前二者の合意で決定する。
(C)特定産業を営む者の努力等 特定産業を営む者は振興基準に従つて生産または経営規模の適正化を通じて産業活動を効率化するように努力を要請され、銀行も資金供給に当り留意し、政府関係金融機関は、資金供給に努める。
(D)資金の確保 政府は、特定産業を営む者に対する必要な財政資金の確保に努める。
(E)合併等の場合の課税の特例 主務大臣が振興基準で定められた方針に従つて産業活動を効率化することに寄与すると認定した法人の合併・設立等について、登録税または法人税の軽減を行なう。
(F)合理化のための共同行為 振興基準で定められた方針に従つて産業活動を効率化するため必要があるときは、特定産業を営む者は、主務大臣を経由し公正取引委員会の認可を受けて、①品種または生産方式の制限、②品種別または生産用式別の生産数量の制限、③生産の設備の制限または処理、④部品の購入方法、⑤生産・保管または運送の施設の利用、⑥事業の廃止に伴う調整金の授受の共同行為を実施できる。
(G)合併に関する判断の基準の公表 主務大臣は、公正取引委員会に対し、特定産業を営む者のする合併が、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなるか、どうかの判断の基準となるべき事項の公表を求めることができる。
(H)有効期間 五年の限時法である。
(『通商産業省年報 昭和37年度』)
政府は、2017年3月7日に「水道施設に関する公共施設等運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入する」とした水道法改正案を閣議決定した。水道民営化が促進される危険性が指摘されている。
『月刊日本』2014年7月号に掲載した、佐々木隼也氏のインタビュー記事「私企業に『水』が奪われる!─水道民営化の罠─」を紹介する。
『月刊日本』2016年5月号(4月22日発売)で、「安倍総理よ、竹中平蔵を解任し、新自由主義と決別せよ!」と題して、竹中平蔵批判の特集を組んだ。以下の4つのインタビュー記事で構成。
菊池英博「竹中平蔵に日本を破壊させるな!」
森功「パソナのための安倍政権の規制緩和」
藤澤昌一「竹中はアメリカの代理人なのか?」
横山孝平「私は竹中糾弾を続ける!」
平成26年6月26日の参議院厚生労働委員会での福島みずほ氏の追及。
○福島みずほ君 せっかく障害者権利条約を日本は批准して地域で暮らすと打ち出したわけですから、精神病院の中で、そこに新たに補助金立ててそこで暮らすというのではなく、地域で暮らせるように厚生労働省はやっていただきたい。七月一日、また審議会があると聞いておりますが、ゆめゆめこんなへんてこりんなものを導入しないように強く申し上げます。
次に、ホワイトカラーエグゼンプションは産業競争力会議が執拗に推進しておりますが、中でも有力な旗振り役が、長谷川閑史武田薬品工業代表取締役と竹中平蔵さんです。これこそ、安倍内閣が成長戦略と位置付けている中で、これは今大問題になっております。また、戦略人材派遣会社大手の取締役会長は、利益相反の観点から雇用規制に公平公正な立場とは到底言えません。この二人は産業競争力会議委員として不適格ではないですか。
続きを読む 福島みずほ氏「利益誘導しているではないですか」─国会で問題となったパソナと竹中平蔵 →
ベンジャミン・フルフォード氏が竹中平蔵氏に「お前500億のワイロもらったろう!」
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GHQによる占領、東西冷戦勃発を経て、わが国が対米追従外交を強めていく中で、主体的な外交や貿易を模索する思潮は辛うじて継続していた。
それを支えた一因が、戦前派の指導者の存在だったが、東亜同文書院卒業生の活躍も無関係とは思えない。代表的な東亜同文書院卒業生を分野別に挙げる。
マスコミ
田中香苗(毎日新聞社長)
山西由之(東京放送社長)
長岡村大(テレビ高知社長)
伊藤喜久蔵(東京新聞論説委員)
大西斎(東京朝日新聞論説委員室主幹)
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森功著『日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈』(文藝春秋、2015年11月11日刊)、税込み価格1620円。
政治権力によって新たな市場を作り出し、そこで利益を貪る者たちを「レント・シーカー」という。レント・シーカーのやり口とはいかなるものなのか。人材派遣会社パソナグループ代表の南部靖之氏という「政商」に肉薄した本書を一読すれば、その姿は自ずと浮かび上がってくる。
パソナグループ会長を務めているのが、いま産業競争力会議などで規制改革を推し進める竹中平蔵氏である。すでに竹中氏については、ジャーナリストの佐々木実氏が、『市場と権力』でその実像に迫っている。
いったい、竹中氏と南部氏はどのようにして結びついていったのだろうか。二人の接点にあった人物として本書が挙げるのが、大蔵官僚の長富祐一郎だ。1982年、竹中氏は大蔵省大臣官房調査企画課に置かれていた財政金融研究室主任研究官となり、同課長の長富に見出された。一方、南部氏は、政官界に広範な人脈を持つ長富が91年に退官すると、パソナの顧問に迎え入れた。 続きを読む 書評 森功著『日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈』 →
2009年6月の鳩山由紀夫政権誕生に狼狽し、安倍政権によって日本を一気に親米に巻き戻そうとしているアメリカは、かつて1956年12月の石橋湛山政権誕生に狼狽し、岸信介政権によって日本を一気に親米に巻き戻した。
対米自立勢力の台頭を防ぐことが、一貫して米国の対日政策の最重要課題である。
日本の主権回復を控えて、米国が最も懸念していたことは、日本の民族派勢力が対米自立路線を強めることだった。1949年に採択されたアメリカ国家安全保障会議(NSC)文書48-1は、「極右勢力は長期的にみてアメリカの利益にならない」と明記していた。
GHQ参謀第2部(G2)のチャールズ・ウィロビー少将が組織したキャノン機関の工作目的も、日本の政治家、右翼が対米自立の方向に進むことを阻止することにあった。活発な工作が展開されたにもかかわらず、対米自立志向は続いていた。
1956年12月首相に就いた石橋湛山は、「アメリカのいうことをハイハイきいていることは、日米両国のためによくない。アメリカと提携するが、向米一辺倒になることではない」とはっきりと語った。これに対して、在ワシントン・イギリス大使館のド・ラメア公使は、イギリス外務省極東部への秘密報告書(1956年12月31日付)で、次のように書いている。 続きを読む 対米自立阻止のために流れるCIAマネー →
「TPPは死んだ!」と言う理由は何か。
8月中の大筋合意がギリギリのタイミングだったからだ。
アメリカでは、大統領がTPP協定に調印するには議会に通告してから90日経る必要がある。仮に9月上旬に大筋合意して、すぐに議会に通告できたとしても、調印は12月上旬以降となる。
来年は大統領選挙で、2月1日には予備選が始まる。こうした状況下で、米議会が協定の法案を審議し、批准にこぎつけることは到底不可能だ。
TPPに反対する労働組合を支持基盤とする民主党議員は、容易にTPP法案へ賛成票を投じることができない。しかも、ISD条項に象徴されるように、TPPがグローバル企業の利益拡大の道具に過ぎないという認識が、アメリカ国内では急速に浸透しつつある。 続きを読む TPPは死んだ! →
『維新と興亜』編集長・坪内隆彦の「維新と興亜」実践へのノート