『土とま心』は、橘孝三郎存命中の昭和48年8月、橘の従弟である橘経雄の発案で、橘の思想、人となり、著述とその内容を若い人達に知ってもらうことを目的として、楯の会第1期の阿部勉が橘の門弟の棚井勝一氏の協力を得て創刊したものである。「日本文明の先駆者」(『月刊日本』2011年4月号)で橘を取り上げるに当たり、水戸に棚井氏をお訪ねし、貴重なお話を伺った上で、『土とま心』全号をお借りした。
最終号となった第7号の編集後記には、次のように記されている。
「確かに、橘塾長と三島さんの思想や実践活動のあり方には懸隔があったのは否定できません。しかし、あまり知られておりませんが、両者にはかなり深い交流があったようです。橘塾長は三島さんの思想及び楯の会に強く共鳴し、自身の孫の一人をはじめ、門下の六、七名の学生を楯の会に参加させています。また、その門下の一人で楯の会一期生の篠原裕さんを通じ、著書「天皇論」五部作を三島さんに贈り、三島さんの天皇論、殊に大嘗祭の解釈にかなりの影響を与えたことは、あまり知られていない事実です」
以下に全号の表紙と目次を載せておきたい。
続きを読む 『土とま心』─橘孝三郎精神の継承
「著作/文献」カテゴリーアーカイブ
岡倉天心の日本精神① 『東洋の理想』
東洋の宗教的価値を称揚した岡倉天心は、慈悲・寛容の精神とともに調和の精神を重視した。そんな天心は、神道・日本精神についてどう語っていたのか。
天心の著作の中の神道・日本精神を紹介しておきたい。まず、『東洋の理想』からである(翻訳は村岡博訳『東邦の理想』による)。
| 1 | 「歴史の曙光と共に大和民族は、戰に勇猛に、平和の文藝に温雅に、天孫降臨と印度神話の傳説を吹き込まれてゐて、詩歌を愛好し、婦人に對して非常な敬虔の念を懷いてゐる、こぢんまりした民族として現れてゐる」 | 32頁 |
| 2 | 「印度のトーラン[鳥居に似た佛寺の儀式用門]を多分に想起させる鳥居や玉垣のある清淨無垢な祖先崇拜の神聖な社である伊勢の大廟及び出雲の大社はその原型の儘に二十年毎に若さを新たにして、簡素な調和美しく、太古の姿をその儘に保存せられてゐる」 | 34頁 |
| 3 | 「我が民族的誇と有機的統一體といふ盤石は、亞細亞文明の二大極地より打寄する強大な波涛を物ともせず千古搖ぎなきものである。國民精神は未だ甞て壓倒せられたることなく、模倣が自由な創作力に取つて代つたことも決してなかつたのである。我々の蒙つた影響が如何に強大なものであつても、常に之を受入れて再び適用するに十分有り餘る程の精氣を備えてゐた」 | 35頁 続きを読む 岡倉天心の日本精神① 『東洋の理想』 |
タゴール関連文献
持続するタゴールへの関心
詩人としてのタゴールのみならず、思想家としてのタゴールについての関心は、世界的に持続している。1941年8月にタゴールが死去してから、すでに60年の歳月が経っているが、このインドを代表する思想家に学ぼうという態度は衰えてはいない。
アジア人として初めてノーベル文学賞を受賞してまもなくの1916年にタゴールは初来日しているが、その前後には多数の関連書が刊行されている。戦後は、高良とみ、山室静らの詩集の翻訳、森本達雄先生、我妻和男先生、奈良毅先生らの意欲的な研究が展開されてきたほか、なお幾多の学者・研究者の手によって研究が続行されている。 続きを読む タゴール関連文献
藤原岩市と東洋の理想
![]() |
藤原岩市は、『留魂録』(振学出版、1986年)で、次のように書いている。 「日露戦争の直前、明治の大先覚者岡倉天心は東洋の真実を究めんとしてインドに渡っている。マドラスでヴィベカナンダという聖者に遇い、彼に導かれて、ノーベル賞の詩聖タゴール(アジアで最初の受賞者)と相識り、詩聖の宅に寄偶、東洋文明の真髄を語り合い、肝胆相照らしている。津波のように次々と押し寄せる回教徒やキリスト教徒の侵略破壊と物質本位、商業主義の搾取と圧制によって、数千年前に発祥し、燦然とインドと中国に開き輝いた東洋文明とそれが産んだ真善美の宗教と道義の文化と芸術は、徹底的に破壊され、瓦礫の遺跡と化し果てたことを嘆いている。天心はインドの青年に檄して、東洋精神に目覚め、隷属を脱却して東洋文化を振興せんことを激励している。 天心とタゴールはインドと中国に発祥した文化が幸いに日本に伝わり、日本伝承の文化に融合し、開花して信託されており、これをインドを初めアジアの国々に還元止揚して東洋精神を恢興しようと誓い合っている。その直後に日露戦争の大勝を見てインドを初めアジア隷属民衆は狂喜したのである。天心は弟子の横山大観、菱田春草をもインドに派遣し、彼の志を探究させている。 |
岡倉天心関連文献
1985年以降に出版されたもの
| 著者 | 書籍写真 | 書名 | 副書名 | 出版社 | 出版年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 大原富枝 | ![]() |
ベンガルの憂愁 | 岡倉天心とインド女流詩人 | ウェッジ | 2008年12月 |
| 手塚賢次 | 二十一世紀の岡倉天心 | 文芸社 | 2008年12月 | ||
| 大井一男 | 美術商(アートディーラー)・岡倉天心 | 文芸社 | 2008年10月 | ||
| 岡倉天心 | 茶の本 | 対訳ニッポン双書 | アイビーシーパブリッシング | 2008年4月 | |
| 岡倉天心、マイケル・ブレーズ | 茶の本 | IBCパブリッシング | 2008年1月 続きを読む 岡倉天心関連文献 |
田崎仁義関連文献
書籍
| 著者 | 書名 | 出版社 | 出版年 |
|---|---|---|---|
| 田崎仁義著 | 社會史經濟史遺穂 | 田崎仁義 | 1972年 |
| 田崎仁義著 | 一般經濟史 ; 1 | 文雅堂書店 | 1954年 |
| 田崎仁義著 | 孔子と王道の政治經濟 | 三省堂 | 1944年 |
| 田崎仁義著 | 皇道原理と絶對臣道 | 甲文堂書店 | 1943年 |
| 田崎仁義著 | 皇道國體及び皇道原理 | 神祇院教務局指導課 | 1942年 続きを読む 田崎仁義関連文献 |
大川周明関連文献
1975年以降に出版されたもの
| 著者 | 書籍写真 | 書名 | 副書名 | 出版社 | 出版時期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 大川 周明 | ![]() |
大川周明世界宗教思想史論集 | 書肆心水 | 2012/12 | |
| 玉居子精宏 | ![]() |
大川周明 アジア独立の夢 | 平凡社 | 2012/8/12 | |
| 塩出 浩之 | ![]() |
岡倉天心と大川周明―「アジア」を考えた知識人たち | 山川出版社 | 2011/05 | |
| 大川周明 | ![]() |
マホメット伝 | 書肆心水 | 2011/03 | |
| 大川周明 | ![]() |
敗戦後―大川周明戦後文集 | 書肆心水 | 2010/10 | |
| 臼杵陽 | ![]() |
大川周明 | イスラームと天皇のはざまで | 青土社 | 2010年8月 |
| 大森 美紀彦 | ![]() |
日本政治思想研究 | 権藤成卿と大川周明 | 世織書房 | 2010年3月 |
| 大川周明 | ![]() |
日本二千六百年史 | 毎日ワンズ | 2009年8月 | |
| 大川周明 | ![]() |
大川周明「獄中」日記 | 米英東亜侵略史の底流 | 毎日ワンズ | 2009年4月 |
| 大塚健洋 | ![]() |
大川周明 | ある復古革新主義者の思想 | 講談社 | 2009年2月 続きを読む 大川周明関連文献 |
山路愛山関連文献
書籍
| 著者 | 書籍写真 | 書名 | 出版社 | 出版年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 伊藤雄志 | 山路愛山とその同時代人たち―忘れられた日本・沖縄 | 丸善プラネット | 2015年10月 | ||
| 山路愛山 | 源頼朝―時代代表日本英雄伝 | 平凡社 | 2008年2月 | ワイド版東洋文庫 477 | |
| 伊藤雄志 | ![]() |
ナショナリズムと歴史論争―山路愛山とその時代 | 風間書房 | 2005年10月 | |
| 山路愛山 | 現代金権史 | 文元社 | 2004年3月 | 教養ワイドコレクション | |
| 千葉俊二 坪内祐三 | ![]() |
日本近代文学評論選 明治・大正篇史 | 岩波書店 | 2003.12 | (岩波文庫) |
| 山路愛山 | 基督教評論 | 日本図書センター | 2003 | (近代日本キリスト教名著選集 鈴木範久監修 第3期 キリスト教受容史篇 17) | |
| 徳冨蘆花、木下尚江他 | 徳冨蘆花・木下尚江 | 筑摩書房 | 2002.1 | (明治の文学 第18巻) | |
| 藪禎子、吉田正信、出原隆俊校注 | キリスト者評論集 | 岩波書店 | 2002 | (新日本古典文学大系 佐竹昭広ほか編 明治編 26) | |
| 山路愛山 | 岩崎弥太郎 | 大空社 | 1998.11 | (近代日本企業家伝叢書 4) 続きを読む 山路愛山関連文献 |
垂加神道関連文献
書籍
| 著者 | 書籍写真 | 書名 | 出版社 | 出版年 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 松本丘 | ![]() |
垂加神道の人々と日本書紀 | 弘文堂 | 2008年7月 | |
| 田尻祐一郎 | ![]() |
山崎闇斎の世界 | ぺりかん社 | 2006年 | |
| 磯前順一、小倉慈司編 | ![]() |
近世朝廷と垂加神道 | ぺりかん社 | 2005年 | |
| 朴鴻圭 | ![]() |
山崎闇斎の政治理念 | 東京大学出版会 | 2002年 | 続きを読む 垂加神道関連文献 |
河井継之助関連文献
書籍
| 著者 | 書籍写真 | 書名 | 出版社 | 出版年 |
|---|---|---|---|---|
| 深澤賢治 | 陽明学のすすめ〈4〉人間学講話 河井継之助 | 明徳出版社 | 2012/12 | |
| 稲川 明雄 | 決定版 河井継之助 | 東洋経済新報社 | 2012/7/27 | |
| 稲川明雄 (著) | 河井継之助のことば | 新潟日報事業社 | 2010/12/12 | |
| 星亮一 | ![]() |
『長岡藩軍事総督 河井継之助―武士道に生きた最後のサムライ』 | ベストセラーズ | 2004年12月 |
| 早坂茂三 | ![]() |
『怨念の系譜―河井継之助、山本五十六、そして田中角栄』 | 集英社 | 2003年11月 |
| 太田修 | ![]() |
『河井継之助と明治維新』 | 新潟日報事業社 | 2003年11月 |
| 童門冬二 | 『山田方谷 : 河井継之助が学んだ藩政改革の師』 | 学陽書房 | 2002年 | |
| 平林卓郎 | ![]() |
『一発の銃弾 : 河井継之助小伝』 | 文化書房博文社 | 2002年 続きを読む 河井継之助関連文献 |





















