「日本人」カテゴリーアーカイブ

21世紀の国際情報秩序

報道の自由だけで十分か

 1997年のアジア通貨危機後、再び「21世紀の国際情報秩序」に関する議論が活発になった。それは、「報道の自由」だけで21世紀の情報秩序は十分なのか、という古くて新しい論点を提起している。
この議論は、1970年代にも大きな盛り上りを見せたが、過度の政治化に向い、やがて鎮静化してしまった。ところが、アジア通貨危機に際して、CNN、ロイターといった欧米巨大メディアの報道がアジア各国に与えた影響の大きさから、それら報道機関の在り方が再び問題となり、議論が活発になったわけである。 続きを読む 21世紀の国際情報秩序

東南アジア料理論⑨

納豆
醗酵文化圏(9日目)
インドネシアだけでなく、東南アジアのあちこちに納豆は存在する。タイ北部には、トゥア・ナオという納豆がある。煮てやわらかくなった大豆を、大きな木の葉やバナナの葉を敷いた竹籠に入れて三日ほど置いて作る。そのままカレー風味のスープにいれて食べたり、トウガラシ粉と塩を混ぜて、バナナの葉に包んで蒸し、飯のおかずにする。薄い円盤状に成型して、天日乾燥をすると、数カ月保存することができる。これがナットウせんべいである。フィリピンにはタフレ(tahure)という納豆がある。  続きを読む 東南アジア料理論⑨

東南アジア料理論⑤

馴鮓
スシの起源(5日目)
「スシの起源は東南アジアにある」。そう書いたら、「えっ? スシは日本のオリジナルでしょ?」と即座に反論されるかもしれない。だが、日本のオリジナルはあくまで酢を使った現在のスシ。一六七三年(延宝年間)に四谷の医師、松本善甫が酢を使う「早ずし」を考案したことにはじまるとされているから、せいぜい三百年余の歴史しかない。江戸前のにぎりずしの発祥は江戸、文政年間(一八一八-三〇)のころだから、もっと歴史は浅い。  続きを読む 東南アジア料理論⑤

宮崎滔天関連文献

書籍

著者 書籍写真 書名 出版社 出版年 備考
榎本泰子 宮崎滔天: 万国共和の極楽をこの世に ミネルヴァ書房 2013/6/10 ミネルヴァ日本評伝選
宮崎滔天 滔天文選―近代日本の狂と夢 書肆心水 2006年7月
渡辺京二 評伝宮崎滔天 書肆心水 2006年4月
宮崎滔天 宮崎滔天アジア革命奇譚集―明治国姓爺/狂人譚 書肆心水 2006年3月   続きを読む 宮崎滔天関連文献

陽明学関連文献

書籍

著者 書籍写真 書名 出版社 出版年 備考
ハイブロー武蔵 通勤大学図解・速習 言志四録 佐藤一斎の教え 総合法令出版 2008年10月
森田康夫 大塩平八郎と陽明学 和泉書院 2008年10月
深澤賢治 陽明学のすすめ〈2〉人間学講話「安岡正篤・六中観」 明徳出版社 2008年10月   続きを読む 陽明学関連文献

玄洋社とムスリム

興亜論者とムスリム
世界の道義的統一を目指した日本人たちは、東アジアだけでなくイスラーム諸国に対しても特別な関心を払っていた。その中心にいたのが興亜論者であった。
彼らは、欧米に抑圧されるムスリムの惨状を我が事のように考え、欧米列強の植民地支配からの解放を目指して協力しようとしていた。  続きを読む 玄洋社とムスリム

大川周明とイスラーム

大川周明が古今東西の宗教思想から大きな影響を受けていたことについては、すでに書いた。彼が重視したものは、一言でいえば「天人合一」的、「万物一体」的な観念であったろう。
つまり、天を中心にあらゆるものが相互に切り放されず結び付いているという思想である。それは、天の意志、宇宙の意志によって、万事がとりおこなわれるべきだという思想に展開する。例えば、道徳と正義が尊重されるような社会の建設という思想に発展するのだ。  続きを読む 大川周明とイスラーム