ディナール構想の展開

マレーシアのクランタン州が金貨ディナールを発行

 2010年8月12日、マレーシアのクランタン州政府は、イスラーム通貨であるディナール金貨とディルハム銀貨の発行を開始した。クランタン州が発行した金貨は重量が4.25グラムとイスラーム標準に準拠している。正式な通貨として州内の1,000カ所の店舗で使用できるほか、喜捨や巡礼基金拠出金などの支払いで使用することができる。

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信州国民党

「全人類の皇化」を目指す

 信州国民党は、昭和4年5月26日、八幡博堂、鈴木善一によって、松本市に組織的政党として設立された。総理に野田喜代志、顧問に頭山満、内田良平、執行委員長に寺田稲次郎、書記長に八幡博堂、書記次長に鈴木善一、統制委員長に西田税、中央委員に長野朗、津田光造が就いた。宣言は、次のように謳った。
 「我等の敵は独り是等国内に跳梁跋扈する非日本的、非国民的徒輩のみではない、侵略的白色人種閥勢力に依って有色人種に加えられつつある生存権の事実上の否定を見よ。更に又世界各国の共産主義化と彼等の所謂「日本爆破」を計画実践しつつあるソヴエット、ロシヤの暴状を見よ。
 彼等は国際的共存共栄の公道を破壊し、人類生存の理義を蹂躙する世界の公敵である。道義的世界建設の歴史的使命を有する我等は、今や有色人種の尖端に立ち、この幾世紀の永きに亘る巨弾と鉄鎖の悲惨なる苦難と試練とを突破して、人類の解放戦に勇敢に戦うべきである。然り、この世界を横行闊歩する強敵を屠って全人類を完全に皇化する日まで、我等の決死的戦闘は継続されねばならなぬ」
 信州国民党は、昭和4年11月に日本国民党と改称し、翌昭和5年2月の第2回普通選挙には八幡博堂が信州から立候補して、既成政党に対して大いに気を吐いた(荒原朴水『大右翼史 増補版』大日本一誠会出版局、1974年、100頁)。
 昭和6年11月に大日本生産党に合流した。

マレーシアのプロトンが日本進出、まず「サトリアネオ」を販売


 マレーシアの自動車メーカー「プロトン」が日本に進出してくる。まず投入されるのが、プロトンが自主開発したスポーツモデル「サトリアネオ」だ。2012年7月から正規輸入代理店「キャロッセ」が、先行予約受付をスタートする。2013年以降は、4ドアの「サガ」やミニバンの「エゾラ」も順次投入する予定。

佐藤清勝『世界に比類なき天皇政治』(昭和十八年六月)読書ノート②

佐藤清勝著『世界に比類なき天皇政治』の特徴は、単に天皇政治を称揚するだけではなく、西洋政治学の問題点を具体的に指摘した点にある。
戦後わが国においても、「政党政治の行き詰まり」論をはじめとして、民主主義批判はあるが、佐藤は西洋政治を、より原理的に批判しようとした。
同書第一編「西洋政治の論評」第一章「西洋政治学に対する批判」において、佐藤は西洋政治学の展開を概要次のように説明する。
欧州における政治学はギリシア時代から登達し、ソクラテス、プラトン、アリストテレスのような哲学者は、いずれも道徳を論ずるとともに政治を論じた。彼らは政治の理想を道徳に置いていた。 続きを読む 佐藤清勝『世界に比類なき天皇政治』(昭和十八年六月)読書ノート②

佐藤清勝『世界に比類なき天皇政治』(昭和十八年六月)読書ノート①


佐藤清勝は『世界に比類なき天皇政治』緒言冒頭で、西洋人の不幸な歴史は、彼らが理智ばかりを重視し、感情を軽視してきた結果だと断じる(二頁)。
西洋人の歴史は、佐藤によれば、苦難の連続だった。まず、教権全盛時代には法皇僧侶などの人情なき抑圧に苦んだ。そして、君権全盛時代には、君主貴族などの愛情なき虐政に苦んだ。民権全盛となってからも、政党者や金権者の恩恵なき強圧に苦しんできた。
西洋人は「理智的反抗心」により、信仰の自由を叫んで僧侶の暴圧を絶呼し、天賦の人権を叫んで君主権の非理を主張し、階級争闘を叫んで資本家の専横を怒号するというように、絶えず現状を打破して、新しい境遇を得ようとして、大声で激しく叫んできた。佐藤は、それこそが西洋の政治思想だと説き、次のように書く。
「彼等は常に現状を打破し、現社会を改造して新正面を開かんとする努力は、益々彼等を躯つて奈落の底に沈淪せしむるものである、而して、今や彼等は国家を否認し、民族を忘却し、政治を嫌悪し、而して、世界主義に傾きつつあることは、即ち、彼等民族自滅の深渕に向つて急ぎつつあるのである」(四頁) 続きを読む 佐藤清勝『世界に比類なき天皇政治』(昭和十八年六月)読書ノート①

ある書棚から

書籍

著者 書籍写真 書名 出版社 出版年 備考
片岡鉄哉 “黒船待ち”の日本―ゴーリズム国家をめざして 日本教文社 1982年1月
田中正明 アジア独立への道 展転社 1991年7月
竹内好 日本とアジア 筑摩書房 1993年11月
ムハンマド・バーキルッ=サドル著、黒田寿郎訳 イスラーム経済論 未知谷 1993年12月
マハティール、石原慎太郎 「NO」と言えるアジア―対欧米への方策 光文社 1994年10月   続きを読む ある書棚から

ドキュメンタリーDVD(歴史・戦争)

写真 タイトル 価格(円) 枚数 時間(分) 販売元 発売日 内容
NHKスペシャル 日本海軍 400時間の証言 DVD-BOX 8,777 3 251 NHKエンタープライズ 2012/03 日本海軍のエリートたちによる告白とは――1980(昭和55)年から11年、130回余りにわたり、かつての日本海軍の参謀たちが密かに集い、議論を重ねていた。「海軍反省会」
NHKスペシャル 映像の世紀 SPECIAL BOX 64,328 12 873 NHKエンタープライズ 2005/11 激動の20世紀を映像で記録したロングセラー作品が、豪華解説書とDVD別巻を加えてリニューアル!
東京裁判 3,135 2 277 キングレコード 2004/08 小林正樹監督。昭和23年、東京都市ヶ谷の旧陸軍省参謀本部において開かれた「陸軍国際軍事裁判」の模様を収めた米国防総省の記録フィルムを基にしたドキュメンタリー映画 続きを読む ドキュメンタリーDVD(歴史・戦争)

祖国自己確認の歴史における『中朝事実』

 わが国の歴史は、国体論の確立を目指した持続的な営みであった。その中で、国際情勢の変化、特に対外的危機意識の高まりは、常に祖国日本の自己確認を促してきた。
永安幸正は、「何れの国民でも同じであるが、国民集団としてある種の危機が迫っていると感づく秋には、祖国あるいは民族を世界の中に位置付け、他国と比べて祖国自民族の歴史、実力、可能性を確かめなければならぬものである」と指摘する。
山鹿素行の『中朝事実』もまた、繰り返されてきたわが国の自己確認の歴史の一時代として位置づけられる。永安は、『中朝事実』執筆の目的を、①国家創設及び創設後の政治における要点の解明、②国際関係において、日本列島上のわが国こそが中朝・中華・中国(なかつくに)であることの主張──に整理した上で、次のように『中朝事実』を、繰り返されてきた祖国自己確認の試みの歴史の中に位置づける。 続きを読む 祖国自己確認の歴史における『中朝事実』

『維新と興亜に駆けた日本人』の書評(2012年1月15日)─『青年運動』

本書「維新と興亜に駆けた日本人」は、肇国の理想の実現、すなわち「維新の貫徹」を、近代においてさまざまな形で追求した二十人の日本人たちの評伝集である。興亜主義を維新の一環として捉え、特に興亜の志士たちを大きく取り上げている点に本書の稀有な特色がある。
登場人物たちは、西郷隆盛を皮切りに、思想家・ジャーナリストから民族運動家まで、その生涯から思想的背景に至るまで、幅広い視野で論じられている。視点は一貫していて、彼らの評伝を通じて、維新とは何か、維新の実践とは何かについての考察が重ねられていく。本書の最大の読みどころのひとつは、こうした、明治維新にとどまらずに通史的な視点で維新というものを捉える、我々の生きる「現代」にも応用可能な射程の広い維新観である。翻って現代、時代の危機が深まるにつれて、維新という言葉がずいぶんと安く流通するようになったが、本来維新とはいかなるものを意味するのかを再考する上で、本書は最良の導き手であるといってよい。
本書はまた、「日本国体思想史」としても読める。明治維新の原動力となった国体の思想は本書の登場人物たちの思想的背景となっているため、その概要が本書の序論でわかりやすく解説されている。さらに、その近代に於ける先駆者たちの思想・実践が十分に著されているので、近代までの日本国体思想史を概観できることになる。今泉定助のような一般にあまり知られていない思想家が紹介されているのもポイントだ。これだけでも、かかる思潮に関心を持つ読者にとって大いに参考になるであろう。
さて、著者の坪内氏は本書の登場人物たちを「先駆者」として捉える。つまり、単なる「過去の偉人」としてではなく、「我々現代人の先達」として、である。坪内氏は慨嘆する。「私利私欲を優先させ、長いものに巻かれ、行動する勇気を持たない。国家の理想を描かず、愛国心を持たず、ただ強い国に阿る。そのような政治家や言論人は、決して本物の日本人ではない」。さらに、「本来の日本人の生き様が再認識され、そのような日本人によって、再びわが国が指導される日が来ることを願ってやまない」と結ぶ。
我が身を省みていかがであろうか。多くは語るまい。
しかし、いかなる立場にある人であっても、我々一人ひとりが明日の日本を作る担い手である以上、我々一人ひとりが本書から学ぶべき点は多い。一人の日本人として、鑑としての先達の営みを是非とも知っておきたいところだ。評者:呉竹会青年部 冨田 開平氏(『青年運動』平成24年1月)

坪内隆彦の「維新と興亜」実践へのノート