平成三十年七月二十六日午後、「安倍首相に種子法復活と併せて必要な施策を求める有志」とともに内閣府に赴き、安倍首相宛てに以下のような要望書を提出した。
「種子法(主要農作物種子法)廃止に抗議し、同法復活と併せて必要な施策を求める要望書」
今年(平成三十年)四月、安倍内閣によって種子法(主要農作物種子法)が廃止された。この種子法は、米麦大豆などの主要農作物の種子の生産と普及を国と県が主体になって行うことを義務付けた法律である。この法律のもとで、これまで国が地方交付税等の予算措置を講じ、県が種子生産ほ場の指定、生産物審査、原種及び原原種の生産、優良品種の指定などを行うことによって、良質な農作物の安価で安定的な供給に寄与してきた。
しかし、安倍首相は、この種子法が、民間企業の公正な競争を妨げているとの理由で、突如廃止を言い出し、国会での十分な審議も経ぬまま、昨年三月可決成立させてしまった。
今後種子法廃止によって、外資を含む種子企業の参入が加速し、種子価格の高騰、品質の低下、遺伝子組み換え種子の流入による食物の安全性への不安、長年我が国が税金による研究開発で蓄積してきた種子技術の海外流出、県を主体にすることで維持されてきた種子の多様性や生態系、生物多様性への影響など、数多くの弊害が危惧されている。
こうした懸念を受けて、「種子法廃止法案」では、付帯決議として「種苗法に基づき、主要農作物の種子の生産等について適切な基準を定め、運用する」「主要農作物種子法の廃止に伴って都道府県の取組が後退することのないよう、・・・引き続き地方交付税措置を確保し、」「主要農作物種子が国外に流出することなく適正な価格で国内で生産されるよう努める」「消費者の多様な嗜好性、生産地の生産環境に対応した多様な種子の生産を確保すること。・・・特定の事業者による種子の独占によって弊害が生じることがないように努める」ことなどが記されているが、どれも努力義務で法的強制力はないばかりか、早くも政府は、この付帯決議の主旨に逆行する政策を推し進めている。 続きを読む 安倍首相に種子法復活を求める要望書を提出(平成30年7月26日) →
平成30年1月29日、『日本のお米が消える』(『月刊日本』平成30年2月号増刊)を発売しました。
モンサントなどのグローバル種子企業は、遺伝子組み換えイネやゲノム編集イネによる市場支配を目論んできました。安倍政権は、このモンサントの野望に手を貸すかのように、日本のおコメを守ってきた種子法を廃止してしまいました。このままでは日本のおコメは消えていきます。
目 次
はじめに 日本のおコメが消える
第一章 日本のおコメが食べられなくなる
山田正彦 イネの価格は10倍に跳ね上がります
八木岡努 おコメの種類が確実に減ります
中村陽子 害虫や気候の変動に対応できなくなります
古瀬 悟 タネを作る県がどんどん減っていきます
山田俊男 民間企業の参入が狙いです
西川芳昭 種子は公共のものです
タネを作るにはこんなに時間と手間がかかる! 生産現場ルポ
種子法を廃止する理由はどこにもありません
種子法廃止に歯止めがかけられていない
種子法の父・坂田英一の理想を取り戻そう
坂田英一が語った種子法への思い
続きを読む 『日本のお米が消える』(『月刊日本』平成30年2月号増刊) →
政府は、2017年3月7日に「水道施設に関する公共施設等運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入する」とした水道法改正案を閣議決定した。水道民営化が促進される危険性が指摘されている。
『月刊日本』2014年7月号に掲載した、佐々木隼也氏のインタビュー記事「私企業に『水』が奪われる!─水道民営化の罠─」を紹介する。
『月刊日本』2016年5月号(4月22日発売)で、「安倍総理よ、竹中平蔵を解任し、新自由主義と決別せよ!」と題して、竹中平蔵批判の特集を組んだ。以下の4つのインタビュー記事で構成。
菊池英博「竹中平蔵に日本を破壊させるな!」
森功「パソナのための安倍政権の規制緩和」
藤澤昌一「竹中はアメリカの代理人なのか?」
横山孝平「私は竹中糾弾を続ける!」
平成26年6月26日の参議院厚生労働委員会での福島みずほ氏の追及。
○福島みずほ君 せっかく障害者権利条約を日本は批准して地域で暮らすと打ち出したわけですから、精神病院の中で、そこに新たに補助金立ててそこで暮らすというのではなく、地域で暮らせるように厚生労働省はやっていただきたい。七月一日、また審議会があると聞いておりますが、ゆめゆめこんなへんてこりんなものを導入しないように強く申し上げます。
次に、ホワイトカラーエグゼンプションは産業競争力会議が執拗に推進しておりますが、中でも有力な旗振り役が、長谷川閑史武田薬品工業代表取締役と竹中平蔵さんです。これこそ、安倍内閣が成長戦略と位置付けている中で、これは今大問題になっております。また、戦略人材派遣会社大手の取締役会長は、利益相反の観点から雇用規制に公平公正な立場とは到底言えません。この二人は産業競争力会議委員として不適格ではないですか。
続きを読む 福島みずほ氏「利益誘導しているではないですか」─国会で問題となったパソナと竹中平蔵 →
森功著『日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈』(文藝春秋、2015年11月11日刊)、税込み価格1620円。
政治権力によって新たな市場を作り出し、そこで利益を貪る者たちを「レント・シーカー」という。レント・シーカーのやり口とはいかなるものなのか。人材派遣会社パソナグループ代表の南部靖之氏という「政商」に肉薄した本書を一読すれば、その姿は自ずと浮かび上がってくる。
パソナグループ会長を務めているのが、いま産業競争力会議などで規制改革を推し進める竹中平蔵氏である。すでに竹中氏については、ジャーナリストの佐々木実氏が、『市場と権力』でその実像に迫っている。
いったい、竹中氏と南部氏はどのようにして結びついていったのだろうか。二人の接点にあった人物として本書が挙げるのが、大蔵官僚の長富祐一郎だ。1982年、竹中氏は大蔵省大臣官房調査企画課に置かれていた財政金融研究室主任研究官となり、同課長の長富に見出された。一方、南部氏は、政官界に広範な人脈を持つ長富が91年に退官すると、パソナの顧問に迎え入れた。 続きを読む 書評 森功著『日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈』 →
これまで竹中平蔵氏は産業競争力会議で労働移動支援助成金の増加を唱えるなど、自らが会長を務める人材派遣会社パソナの利益拡大になる発言をしてきた。
ところが、この利益誘導疑惑について、大手新聞やテレビは一切報道しなかった。こうした中で、「國の子評論社」を主宰する横山孝平氏はパソナ本社前などで抗議の街宣活動を行った。ところが、パソナ側は「街宣活動禁止仮処分命令」を東京地裁に申し立て、7月10月第一回口頭弁論が行われた。今後法廷では、竹中平蔵氏に対する批判が誹謗中傷や名誉棄損に当たるのかが争われる。この問題について、『月刊日本』8月号に「パソナ、竹中平蔵への抗議街宣 訴訟に発展」を掲載した。
投票を9日後に控えた平成26年12月5日、新自由主義者の巣窟「万年野党」(理事長:宮内義彦)が興味深い記事を掲載した。「総選挙版 全衆議院議員の三ツ星評価が完成」と題した記事で、以下のように書かれていた。
「与党議員の中には……改革を進めていかなければいけないと考えている議員たちがいる。こうした事を感じている有権者は、おそらく与党に投票する事になるのだろう。しかし一方で、こうした改革を進めていこうという議員たちの足を引っ張ろうというのは、必ずしも野党だけではない。むしろ、与党の中に、改革に反対する勢力があり、野党以上に足を引っ張るというケースがある。一方で、国会の報道などを見て、与党が進める改革にさえ、なんでも反対するのが野党という印象を持っている人もいるだろう。しかし、野党の中には、与党の改革よりもさらに進んだ改革や、さらに効果的な改革を代案として提案する議員たちもいる。もちろん、野党にはそんな議員ばかりだというわけではない。……政党を選ぶ選挙ではなく、この国の将来のためにも、与党の中でも改革派の議員、野党の中でも改革派の議員をと選んでいくべきではないだろうか」
「改革」というと聞こえはいいが、新自由主義者の望む改革とは、グローバル企業に奉仕し、日本国民の生活、安全を脅かし、日本の伝統文化や国体を破壊することではないか。
いまこそ「規制改革」の正体を暴く必要がある。「規制」とは、国民生活、伝統文化、国体を守るための共同体のルールであり、「改革」とは「破壊」なのだと理解すべきである。
田中龍作氏がブログで報じているように、2014年10月8日、竹中平蔵が会長を務めるパソナ前で「派遣法改悪に対する抗議行動が行われた。
注目すべきは、時代劇『桃太郎侍』をパロディー化して、竹中会長に当てつける口上が飛び出したこと。
「一つ、一人2役エチゴ屋とお代官で やりたい放題」
「二つ、腹心の手下を使って審議会・委員会を攪乱」
「三つ、身勝手な税金逃れで海外に巨万の資産蓄財」
「四つ、欲にまみれた大臣・官僚をパソナ御殿で接待」
「五つ、いつでも、いつまでもハケンで格差拡大」
以下『月刊日本』平成26年9月号に載せた「安倍政権はグローバル企業の奴隷か」を転載する。
〈安倍政権の成長戦略に盛り込まれた法人税減税、「残業代ゼロ」制度、農業改革、混合診療拡大、水道などの公共サービスの民営化加速──などは、いずれもグローバル企業の利益拡大に結び付くものばかりだ。
雇用、健康、安全など生命に深く関わる分野で国民を保護してきた法律を破壊して、新たな市場を形成し、グローバル企業の利益を拡大しようとしている。
こうした新自由主義政策の旗を振っているのが、産業競争力会議、国家戦略特区諮問会議、規制改革会議などだ。こうした会議には、グローバル企業の代弁者やそれに連なる財界人たちが多数送り込まれている。
産業競争力会議には、秋山咲恵(サキコーポレーション)、岡素之(住友商事)、榊原定征(東レ)、坂根正弘(コマツ)、竹中平蔵(パソナグループ)、新浪剛史(ローソン)、長谷川閑史(武田薬品工業)、三木谷浩史(楽天)が民間議員として名を連ねている。 続きを読む 「安倍政権はグローバル企業の奴隷か」 →
『維新と興亜』編集長・坪内隆彦の「維新と興亜」実践へのノート