「郵政」カテゴリーアーカイブ

グローバリストと郵政民営化① 竹中平蔵氏に宛てたゼーリック氏の信書

平成17(2005)年8月2日の参議院郵政民営化特別委員会で、民主党の櫻井充議員が、アメリカの通商代表ゼーリック氏が竹中平蔵氏に宛てた信書の内容を暴露。

○櫻井充君 それでは、ここにアメリカの通商代表、代表の、まあこの間まで、前ですね、ゼーリックさんから竹中大臣にあてた手紙がございます。現在は国務副長官でございます。その方から竹中大臣にあてた手紙の写しがございます。
これ、ちょっと確認していただきたいんですけど、委員長、ちょっと議事止めていただいていいですか。

ロバート・ゼーリック

○委員長(陣内孝雄君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(陣内孝雄君) 速記を起こしてください。
○櫻井充君 ここには、要するにこれはどういう手紙なのかといいますと、これは竹中大臣が郵政担当大臣、経済財政担当大臣に再任されたときのお祝いの手紙でございます。
そこの中に、そこの中に、貴殿の業務の成功に対する報償がより多くの仕事を得たということを見て喜ばしく思いますと。その後るる書いてありますが、そこのところから後半の方ですが、保険、銀行業務、速配業務で競争の条件を完全に平等することを生み出し実行することは私たちにとって根本的に重要です。郵便保険それから郵便貯金を民間セクターとイコールフッティングにするためにも、私たちは経済財政諮問会議からの連絡を歓迎しております。そしてまた、現在民間企業に適用されている郵便保険と郵便貯金への税制、セーフティーネット上の義務の義務化、それから郵便保険商品に対する政府保証を廃止することを諮問したことに私たちは勇気付けられました。
私は、また、以下の点で丁重に貴殿を後押しいたしますと。二〇〇七年の民営化開始時から、郵便保険と郵便貯金業務に対する保険業法、銀行法の下での同様の規制、義務、監督、完全な競争、競争条件の平等が実現するまで新商品、商品見直しは郵便保険、郵便貯金に認めてはならず、平等が実現された場合にはバランスある形で商品が導入されること。新しい郵便保険と郵便貯金は相互補助により利益を得てはならないこと。民営化過程においていかなる新たな特典も郵便局に対して与えてはならないこと。民営化の過程は常に透明で、関係団体に自分たちの意見を表明する意義ある機会を与え、決定要素となることとする。今日まで私たちの政府がこの問題について行った対話を高く評価するものですし、貴殿が郵政民営化での野心的で市場志向的な目標を実現しようとしていることに密接な協力を続けていくことを楽しみにしております。貴殿がこの新たな挑戦に取り掛かるときに私が助けになるのであれば、遠慮なくおっしゃってください
しかもです、これはタイプで打たれたものですが、ここにです、ここに自筆の文章もございます。自筆の文章です。そこの中で、わざわざここに竹中さんとまで書いてあります、竹中さんと。貴殿は大変すばらしい仕事をされ、数少ない困難な挑戦の中で進歩を実現しました。あなたの新たな責務における達成と幸運をお祝いいたしますと。これは去年の十月四日の時点ですので、貴殿と仕事をすることに楽しみにしておりますという形で手紙も来ております。
ですから、今までそういうようなことに対しての要望がなかったということでは僕はないんだろうと、そういうふうに思っています。
ですから、ここは本当に大事なことなんですね。まあ今日はテレビが入っていますから委員会は止めませんけれどね。ですが、ですが大事な点は、総理が先ほどアメリカ、アメリカと言うなとおっしゃっていますが、こういう形で送られてきて、事実を私は申し上げているだけでございます。
総理、いかがですか。

「日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会報告書」(平成22年5月) 【上】

 令和6年の郵政民営化法の抜本改正に当り、民営化の真実を明らかにしておきたい。
 「日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会報告書」(平成22年5月)【上】。

はじめに
 官業としての郵政事業は、全国に張り巡らされた郵便局網を通じて郵便、貯金、保険の各事業による利便が全国同一条件の下で提供されることで、地方も含めた国民生活の基盤を提供し、戦後の我が国における都市と地方とのバランスのとれた経済の発展を可能にしてきた。高度経済成長の原動力となったのは、大都市周辺の重化学工業へのヒト・モノ・カネの集中がもたらした産業の発展であったが、経済成長によって生じた富を、都市だけではなく、地方にも振り向け、地域の経済振興を図る機能を果たしたのが公共事業であり、国及び自治体の予算と並んで、その重要な資金源となったのが、郵便貯金及び簡易保険として預け入れられた資金を活用して行われる財政投融資であった。
 しかし、このような戦後経済成長システムは、バブル経済の崩壊とともに行き詰り、その後の不況の長期化、深刻化の中で、経済システムの根本的な見直しを迫られることになった。こうした中、21世紀に入り、政治、経済の構造の抜本的改革による不況からの脱却への期待を受けて登場したのが小泉政権であり、その政策の目玉として掲げられたのが、戦後システムの中核を担っていた郵政事業を民営化することであった。
 政権発足の2年後の平成15年には日本郵政公社が発足し、それまで郵政事業庁による官営事業であった郵政事業は公社として独立採算の下、自律的、弾力的な運営を行うこととされた。さらに、その翌年の平成16年9月には郵政民営化の基本方針が閣議決定され、郵政民営化関連法案が国会に提出された。郵政民営化は、公的部門に流れていた郵便貯金・簡易保険の資金の流れを、他の金融機関と対等の競争条件の下で、民間金融機関としての資金運用に変えていくことで、資金の流れを官から民に転換することを主たる目的とするもので、我が国の経済社会システムそのものにも多大な影響を与えるものであった。それだけに、その是非について与党自民党内部も含めた政治対立が生じ、郵政民営化関連法案は参議院では一旦否決された。しかし、小泉首相が郵政民営化の是非を問うとして衆議院を解散し、総選挙で圧勝したことで政治対立は決着、平成17年10月に郵政民営化関連法が成立した。 続きを読む 「日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会報告書」(平成22年5月) 【上】

「安倍総理よ、竹中平蔵を解任し、新自由主義と決別せよ!」(『月刊日本』2016年5月号)

 『月刊日本』2016年5月号(4月22日発売)で、「安倍総理よ、竹中平蔵を解任し、新自由主義と決別せよ!」と題して、竹中平蔵批判の特集を組んだ。以下の4つのインタビュー記事で構成。
 菊池英博「竹中平蔵に日本を破壊させるな!」
 森功「パソナのための安倍政権の規制緩和」
 藤澤昌一「竹中はアメリカの代理人なのか?」
 横山孝平「私は竹中糾弾を続ける!」

佐々木実「竹中平蔵氏の正体」英訳

 以下は、『月刊日本』2013年7月号に掲載された佐々木実氏のインタビュー記事「竹中平蔵氏の正体」の全文英訳です。

A True Picture of Heizo Takenaka

 Minoru Sasaki, journalist

Heizo Takenaka as Seeker of Regulatory Reform in the Field of Labor

NIPPON: In your book Shijo to kenryoku [Markets and Power] (Kodansha), you focus on depicting the real Heizo Takenaka. The book is full of suggestions for people who wonder just how it was that neoliberalism came to be introduced to Japan.

SASAKI: Takenaka said at the first meeting of the Industrial Competitiveness Council (ICC) on January 23, 2013, that “there is no magic wand for growth strategy; regulatory reform that gives corporations freedom and makes them more muscular is the first element of growth strategy.” The following day, Prime Minister Shinzo Abe proclaimed the necessity of regulatory reform using a manner of speaking that followed Takenaka’s statement almost to the letter. It was a scene that was symbolic of the closeness between Prime Minister Abe and Takenaka.

Takenaka had played a major role during the years of the Koizumi administrations. He was subsequently the subject of various criticisms, and during the years of the Democratic Party of Japan administration it seemed for a moment that he might have become a has-been. However, he survived, was picked up by Prime Minister Abe, and is now the leading neoliberal ideologist.

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