坪内隆彦 のすべての投稿

『わーずわーす』創刊号

コンセプト:「21世紀のアジア人的ライフスタイル・マガジン」
なぜが、短命に終わった『わーずわーす』。創刊号にはマハティール・インタビューが……

アジアの巨人① マハティール・ビン・モハマド
書き手、インタビュー:坪内隆彦、写真:カミコウベ アツシ

発行:株式会社フーガ
発売:株式会社主婦の友社

2005年2月1日発行/定価:780円

イスラームの発展ヴィジョン

「時代変化に適応できるイスラーム」
2006年3月23日、イスラーム開発銀行の「1440年ヴィジョン委員会]の第3回会議が開催され、イスラーム世界の長期発展ヴィジョンが、アブドラ首相によって発表された。
この委員会は、イスラーム暦1440年(西暦2019年)までのイスラーム世界の長期発展ヴィジョンを策定することを目指して、イスラーム開発銀行の組織として2005年6月に発足し、マハティール前首相が議長を務めている。 続きを読む イスラームの発展ヴィジョン

玄洋社とムスリム

興亜論者とムスリム
世界の道義的統一を目指した日本人たちは、東アジアだけでなくイスラーム諸国に対しても特別な関心を払っていた。その中心にいたのが興亜論者であった。
彼らは、欧米に抑圧されるムスリムの惨状を我が事のように考え、欧米列強の植民地支配からの解放を目指して協力しようとしていた。  続きを読む 玄洋社とムスリム

大川周明とイスラーム

大川周明が古今東西の宗教思想から大きな影響を受けていたことについては、すでに書いた。彼が重視したものは、一言でいえば「天人合一」的、「万物一体」的な観念であったろう。
つまり、天を中心にあらゆるものが相互に切り放されず結び付いているという思想である。それは、天の意志、宇宙の意志によって、万事がとりおこなわれるべきだという思想に展開する。例えば、道徳と正義が尊重されるような社会の建設という思想に発展するのだ。  続きを読む 大川周明とイスラーム

タラクナート・ダスの全亜細亜主義

「全亜細亜主義・独立亜細亜・世界平和」

タラクナート・ダス(Taraknath Das)は、祖国インドをはじめとするアジア諸国の独立を目指して果敢な行動を続けた興亜論者である。1905年頃、彼はカルカッタからアメリカに渡った。やがて、インド独立を目指すガダル党(Ghadr party)に参加する。ガダル党とは、アメリカ西海岸に留学したインド人や亡命したインド人が中心になって20世紀初頭に結成した、インド独立運動を支持する団体で、本部はサンフランシスコに置かれていた。  続きを読む タラクナート・ダスの全亜細亜主義

パンチャシラ(5つの柱)

1. 唯一神への信仰(Belief in the One and Only God) 
This principle of Pancasila reaffirms the Indonesian people’s, belief that God does exist. It also implies that the Indonesian people believe in life after death. It emphasizes that the pursuit of sacred values will lead the people to a better life in the hereafter. The principle is embodied in article 29, Section 1 of the 1945 Constitution and reads: “The state shall be based on belief in the One and Only God”.
続きを読む パンチャシラ(5つの柱)

杜維明の思想

人間も宇宙の一部

http://www.cuhk.edu.hk/ipro/pressrelease/031024-2.htm
 文明間の対話とも、普遍的な人権思想とも矛盾しないような、儒教思想の確立を目指しているのが、ハーバード大学教授の杜維明氏である。
彼は、宗教思想が担うべき役割の重大さを十分に認識している。2005年4月に「宗教―相克と平和」をテーマとして開催された「国際宗教学宗教史会議第19回世界大会」(日本学術会議など主催)の公開シンポジウム「宗教と文明間の対話」で、彼は「現代は〈第2の軸の時代〉を迎えているのかもしれない」と指摘している。 続きを読む 杜維明の思想

権俸基(クォン・ボンギ)の提案

韓国新世代の対日認識

韓国の新世代の日本認識に変化が見られるようになっている。こうした中で、韓国出身の国際経済学者・権俸基(クォン・ボンギ)は、韓国の新世代を対象に日本についてのアンケート調査を行なった。
注目すべき点は、調査を受けて、日本が韓国・アジアとの交流と相互理解を進める上で、長い間欠落していたアジア的価値とその心に目を向けなければならないと主張している点である。  続きを読む 権俸基(クォン・ボンギ)の提案

キラーファト運動─イスラームとヒンドゥーの連帯

イスラームとヒンドゥーの連帯

 植民地支配を永続させることを目指していたイギリスの常套手段は、徹底した分断統治であった。アジア人の結束を乱すことによって、有利な状況を作り出そうという意図だ。日中の分断、イスラームとヒンドゥーの分断など、アジア各地でそれは成功を収めた。
現在もなお、アジアが結束できない理由の一つに、アングロ・サクソンの分断統治的政策の影響があるのかもしれない。  続きを読む キラーファト運動─イスラームとヒンドゥーの連帯