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東南アジア料理論⑯

酸味野菜

フィリピンの酸味スープ(16日目)

ベトナムのカン・チュアに相当するフィリピンのスープが、シニガン(sinigang)である。
具によって日本の味噌汁感覚にもご馳走にもなるスープで、もう一つの代表的なスープ、ニラガンとともに高い人気を誇っている。シニガンは、カン・チュアと同じように魚醤(パティス)で味を整えるところが特徴である。もう一つの特徴は、米のとぎ汁を入れること。こうすると、味にまろやかさがでるのである。
青トウガラシ、魚醤を使う典型的な東南アジア・スープだが、それほど辛くはない。フィリピンの料理は、次章で述べる通り、一部地方を除いてそれほど辛くないのである。これは、インド文化の影響の及び方とも無関係ではない。  続きを読む 東南アジア料理論⑯