山鹿素行『中朝事実』2011年12月12日①

素行は、『中朝事実』或疑において、上古は日本と支那に優劣なしとも述べていた。
「我が神代に於る数多の神勅は、堯が舜に又舜が禹に与へた教戒に比すべきである。支那に於ける周の武王・文王の廟が質素で供物も僅か黍稷をその儘で供へたのは、我が伊勢の皇太神宮の有様と比せられる。……更に代々の天皇の即位に当つての詔勅は、夏の禹王が正確な暦を天下に配布し、農事を益せしめたのと意味においては変らない」(『中朝事実講話』372頁)
ただ、高須芳次郎は「古代日本の勅教と堯舜の教説とが同一にちがいといふのは、大まかに過ぎる」と評している。

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