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物書きとしての30年

新聞記者になって以来、30年以上、細々と物を書いてきました。処女作は『アジア復権の希望マハティール』。95歳の今も健在。
彼のことに関心を持ったのは、目の前の問題に対して、決して逃げず、曖昧にせず、誤魔化さず正面から向き合う彼の姿勢に感動したからです。
彼が、絶大な力を持っていた、時の首相ラーマンにも、イギリスにも、アメリカにも阿らず、言うべきことを堂々と言っている姿に共感したからです。アメリカにひれ伏すどこかの国の指導者とは大違いです。
しかも、大きな権力を批判した結果、自分はいかなる不利益を被ってもいいという覚悟をマハティール閣下に感じたからです。
その後、崎門学に傾倒したのも、利害得失を超えて大義に殉ずる崎門学派の生きざまに感動したからです。
個人的なことで恐縮ですが、子どもの頃、なにか失敗して親父に叱られた記憶がないのです。しかし、親父から「卑怯な事をするな」「嘘をつくな」「正直に言え」と烈火の如く叱られたことは良く覚えています。その頃は親父に反発しましたが、やがてその教えが日本人が大切にすべきことなのだとわかりました。
人間歳を取れば理想だけでは生きていけないと実感するものです。
しかし、物を書くについては、今後も、現実政治で成功しなくても、只管大義に生きた先人のことを書いていきたいと思います。
(令和3年4月22日午前2時、父の死去12時間前に)