天心の着想と共時的構造化の試み
1982年、井筒俊彦は『意識と本質―精神的東洋を索めて』の後記において、次のように書いた。
「東洋哲学─その根は深く、歴史は長く、それの地域的拡がりは大きい。様々な民族の様々な思想、あるいは思想可能体、が入り組み入り乱れて、そこにある。西暦紀元前はるか遡る長い歴史。わずか数世紀の短い歴史。現代にまで生命を保って活動し続けているもの。既に死滅してしまったもの。このような状態にある多くの思想潮流を、『東洋哲学』の名に値する有機的統一体にまで纏め上げ、さらにそれを、世界の現在的状況のなかで、過去志向的でなく未来志向的に、哲学的思惟の創造的原点となり得るような形に展開させるためには、そこに何らかの、西洋哲学の場合には必要のない、人為的、理論的操作を加えることが必要になってくる。 続きを読む 井筒俊彦の精神的東洋
「日本の真価」カテゴリーアーカイブ
折口信夫のアジア統一論
産霊とマナによる統一
安藤礼二氏は、折口信夫が北一輝・大川周明・石原莞爾ら「超国家主義者」たちがアジアの統一・協同させる政治的・経済的な革命を志向したのに呼応するかのように、信仰上の、精神的な革命を断行しようとしたと捉えた(安藤礼二『神々の闘争 折口信夫論』講談社、2004年、111頁)。そうした折口の試みは、日本の古道を普遍宗教として提示し、イスラームを含めた他の宗教との融合を模索した田中逸平の試みとも通じている。安藤氏は、次のように折口の信仰上の革命をまとめる。 続きを読む 折口信夫のアジア統一論
敬天愛人運動の理想及び綱領
理 想
社會的自由と個人的自由の一致する全人類の健全なる有機的社會の創造を期す。
綱 領
一、天皇を政教の淵源とし維新の鴻謨を翼贊して其發展完成を期すること。
二、社會の單位を家族とし統治の單位を氏子中心とすること。
三、經濟と道徳の一致を求め土地或は職業を與へて一人の飢民なからしむること。 続きを読む 敬天愛人運動の理想及び綱領
鈴木梅四郎関連文献
書籍
著者 | 書名 | 出版社 | 出版年 |
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田中省三 | 医療の社会化を実践した人物・鈴木梅四郎 | 医史研究会 | 1995年 |
鈴木梅四郎 | 嗚呼二月二十六日 | 慶應義塾福澤研究センター | 1987年 |
小林静夫 | 王子製紙開業秘話 : 鈴木梅四郎小伝 | 苫小牧郷土文化研究会まめほん編集部 | 1982年 続きを読む 鈴木梅四郎関連文献 |
鈴木梅四郎の思想と行動
「医療の社会化」を志す
梅田雲浜関連文献
書籍
著者 | 書名 | 出版社 | 出版年 | 備考 |
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法本義弘 | 梅田雲浜 | 小浜市立図書館 | 1981 | (若狭人物叢書 9) |
梅田薫 | 梅田雲浜と維新秘史 | 東京正生学院 | 1979 | |
青木晦蔵、佐伯仲蔵編 | 梅田雲浜関係史料 復刻版 | 東京大学出版会 | 1976 | (続日本史籍協会叢書日本史籍協会編 第2期第4巻) |
奈良本辰也編 | 幕末志士の手紙 | 学芸書林 | 1969 | 続きを読む 梅田雲浜関連文献 |
藤田東湖関連文献
書籍
著者 | 書籍写真 | 書名 | 出版社 | 出版年 | 備考 |
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藤田東湖 | 維新草莽詩文集 | 新学社 | 2007年6月 | 新学社近代浪漫派文庫 | |
童門冬二 | 尊王攘夷の旗―徳川斉昭と藤田東湖 | 光人社 | 2004年6月 | ||
但野正弘 | 水戸烈公と藤田東湖『弘道館記』の碑文 | 水戸史学会 | 2002年8月 | 続きを読む 藤田東湖関連文献 |
大塩平八郎関連文献
書籍
著者 | 書籍写真 | 書名 | 出版社 | 出版年 | 備考 |
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亀井俊郎著 | 小説 太虚―大塩平八郎と安岡正篤 | 朱鳥社 | 2011年10月 | 日本史研究叢刊 | |
大塩事件研究会編 | 大塩平八郎の総合研究 | 和泉書院 | 2011年4月 | ||
森田康夫著 | 大塩平八郎と陽明学 | 和泉書院 | 2008年10月 | 日本史研究叢刊 | |
大橋健二 | 神話の壊滅―大塩平八郎と天道思想 | 勉誠出版 | 2005年11月 | ||
阿部牧郎 | 大坂炎上―大塩平八郎「洗心洞」異聞 | 徳間書店 | 2005年7月 | ||
安達勝彦 | 小説大塩平八郎 | 耕文社 | 2005年 | 続きを読む 大塩平八郎関連文献 |
頼山陽の思想
一君万民の理想
安藤英男氏は、山陽が「一君万民の平等思想を根底とし、天皇親政下の郡県制度を理想の政治形態とした」と書いている(安藤英男『頼山陽日本外史』近藤出版社、1982年(頼山陽選集 6)、3頁)。 続きを読む 頼山陽の思想 |
高山彦九郎の思想
垂加神道の系譜