「西洋近代の限界」カテゴリーアーカイブ

『日本のお米が消える』(『月刊日本』平成30年2月号増刊)

平成30年1月29日、『日本のお米が消える』(『月刊日本』平成30年2月号増刊)を発売しました。
モンサントなどのグローバル種子企業は、遺伝子組み換えイネやゲノム編集イネによる市場支配を目論んできました。安倍政権は、このモンサントの野望に手を貸すかのように、日本のおコメを守ってきた種子法を廃止してしまいました。このままでは日本のおコメは消えていきます。

  目 次

はじめに 日本のおコメが消える

第一章 日本のおコメが食べられなくなる
 山田正彦 イネの価格は10倍に跳ね上がります
 八木岡努 おコメの種類が確実に減ります
 中村陽子 害虫や気候の変動に対応できなくなります
 古瀬 悟 タネを作る県がどんどん減っていきます
 山田俊男 民間企業の参入が狙いです
 西川芳昭 種子は公共のものです
  タネを作るにはこんなに時間と手間がかかる! 生産現場ルポ
  種子法を廃止する理由はどこにもありません
  種子法廃止に歯止めがかけられていない
  種子法の父・坂田英一の理想を取り戻そう
  坂田英一が語った種子法への思い
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私企業に『水』が奪われる!(『月刊日本』)

 政府は、2017年3月7日に「水道施設に関する公共施設等運営権を民間事業者に設定できる仕組みを導入する」とした水道法改正案を閣議決定した。水道民営化が促進される危険性が指摘されている。
 『月刊日本』2014年7月号に掲載した、佐々木隼也氏のインタビュー記事「私企業に『水』が奪われる!─水道民営化の罠─」を紹介する。

『大亜細亜』(大アジア研究会発行)第二号刊行

 平成28年10月30日、『大亜細亜』(大アジア研究会発行)第二号が刊行された。
 巻頭論説「トランプ大統領就任の意味と興亜の使命」は以下のように結んでいる。
 〈…今後の国際社会は国益と謀略に翻弄される時代になると書いたが、それは謀略渦巻く世界観に甘んじるということではない。国益と謀略の時代もまた、パワーポリティクスに基づく西洋発の世界観に他ならないからだ。短期的にそういう時代の到来への備えを怠ってはならないが、同時に長期的に西洋発の近代的価値観を克服する遠大な理想を抱かねばならない。
かつて我が国の先人たちは、単なる国家の生存を超えた理想を胸に抱き、その実現に邁進してきた。その代表的存在である興亜論は、国家や民族の自生的秩序を重んじ、各その処を得る共存共栄の秩序を「八紘為宇」の理想に求めた。謀略渦巻く国際関係の中で、「自由、民主主義、人権」に代わる旗印を掲げることは、われわれに課せられた崇高な使命であると信じる〉

目 次
 1面 トランプ大統領就任の意味と興亜の使命
 2面 樽井藤吉―「和」の精神により『大東合邦論』を唱えた(坪内隆彦)
 6面 アジア主義に生きた杉山家の伝承②(杉山満丸)
 10面 「東洋経綸」の魁、平岡浩太郎(浦辺登)
 12面 柳宗悦のアジア的価値観 (小野耕資)
 14面 大アジア主義と 崎門学の関係(折本龍則)
 16面  「筑紫都督府」と 大宰府の成立(山本直人)
 18面 西洋近代思想への抵抗 (坪内隆彦)
 19面 時論 外国人労働者問題 から見る目指すべき大道の覚醒 (小野耕資)
 22面 史料・『東洋学館趣旨書』
 23面 連載・大アジア医学の なかの日本②(坪内隆彦)
 24面 アルテミオ・リカルテ 生誕百五十年記念祭開催報告

「安倍総理よ、竹中平蔵を解任し、新自由主義と決別せよ!」(『月刊日本』2016年5月号)

 『月刊日本』2016年5月号(4月22日発売)で、「安倍総理よ、竹中平蔵を解任し、新自由主義と決別せよ!」と題して、竹中平蔵批判の特集を組んだ。以下の4つのインタビュー記事で構成。
 菊池英博「竹中平蔵に日本を破壊させるな!」
 森功「パソナのための安倍政権の規制緩和」
 藤澤昌一「竹中はアメリカの代理人なのか?」
 横山孝平「私は竹中糾弾を続ける!」

福島みずほ氏「利益誘導しているではないですか」─国会で問題となったパソナと竹中平蔵

平成26年6月26日の参議院厚生労働委員会での福島みずほ氏の追及。

○福島みずほ君 せっかく障害者権利条約を日本は批准して地域で暮らすと打ち出したわけですから、精神病院の中で、そこに新たに補助金立ててそこで暮らすというのではなく、地域で暮らせるように厚生労働省はやっていただきたい。七月一日、また審議会があると聞いておりますが、ゆめゆめこんなへんてこりんなものを導入しないように強く申し上げます。
 次に、ホワイトカラーエグゼンプションは産業競争力会議が執拗に推進しておりますが、中でも有力な旗振り役が、長谷川閑史武田薬品工業代表取締役と竹中平蔵さんです。これこそ、安倍内閣が成長戦略と位置付けている中で、これは今大問題になっております。また、戦略人材派遣会社大手の取締役会長は、利益相反の観点から雇用規制に公平公正な立場とは到底言えません。この二人は産業競争力会議委員として不適格ではないですか。
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天津金木とは?─今泉定助『大祓講義』

 今泉定助は、『大祓講義』(三省堂、昭和17年)において、「天津金木」を次のように説明している。
 〈「金木」とはどう云ふものであるかと申しますと、賀茂真淵、本居宣長両翁は、金木は棓(つかなぎ)で手頃の棒といふ事であると云つて居ります。「以棓戦」といふ言葉があります。此の「つかなぎ」の「つ」を省いて「かなぎ」と云ふので、棒を切つて机に拵へる事を云つてゐるのであり、「つかなぎ」は「束木」で、手でおさへるに手頃の棒であると申して居ります。
然し、本居翁は流石に変だと思はれて、非常に苦心して居られます。古代はさういふものを使つたのであらうが、矢張り解り難い事であると云つて、安心が出来なかつたやうであります。「置座」は置き座(ら)で、座(くら)は倉、庫と同じであり、物を区分して置く所を云ひます。
「位」(くらゐ)も、定まつた所にゐることを云ふので、同様に「座」(くら)の意味でありませう。而して「千座の置座」は延喜式に依つて見ると、八座置と四座置とがあり、之を「やぐらおき」、「よぐらおき」と云ひ、長きは二尺四寸、短きは一尺二寸で半分であります。八座置の方が本当のものであるといふ理由は、八といふ数に非常に重きを置いて居るからであります。二尺四寸は八寸の三倍で、八を基準にしてゐます。小さいものを置く必要が出来てから後に、四座置も作つたのでありませう。「千座」は沢山の意味、「置き足らはす」は置座に祓つ物、贖物を充満する事で、矢張り須佐之男命の故事に倣つて居るのであります。祓をするには、罪を祓ふ為めに祓つ物を供へる例になつて居つて、其の祓つ物を沢山に積み重ねるのであります。天津金木に就いての古人の説は上に述べた通りでありますが、「天津宮事以ちて」以下「天津金木云々」といふ所に行事があるので、古人の説だけでは足りませんから更に申し上げます。「天津」は天上の意味で、「天上の儀式に倣つたものを全て天津と云ひます。「金木」は簡単に申せば支那の算木の様なもので、長さ二寸五分位であり、本打切末打断たるものを四木拵へ、一本は四角皆青色であり、一本は四角皆白色であり、一本は皆黄色、一本は皆赤色、此の青・黄・赤・白の金木を、千座置座に贖物と共に置き足らはします。金木は仮字で、「か」は疑の辞であります。「雲か山か」「呉か越か」など云ふ場合の疑問の「か」であります。「な」は「なぎ」、「なぐ」で調和の意味であります。「かなぎ」は自分の疑ひを調和するものと云ふ意味であります。自分の疑ひを調和し定めるといふ事は、神の御心を伺ふ事であります。それで、金木と云ふのは自分の疑ひを決める意味で、支那の八卦に於ける算木の様なものであります〉

大石凝真素美「天津神算木之極典」

 大石凝真素美の「天津神算木之極典」について、大宮司朗氏は次のように書いている。
 〈天津金木とは天地火水を表象する四分角二寸方形のものであり、その展開をもって形体無きものを象徴的に顕示し、その顕相の証微するところによって宇宙創造の秘機を悟り、さらには天地を動かすばかりの神秘力を得ると伝えられるもので、この書においては真訓を施した古事記に則って天津金木を置き足らわし、実に眼に物をみせてくれるのである。天津金木の製作法については、『天地茁廴貫きの巻』および水谷清『古事記大講』六巻に詳しく述べられている。それにもとづいて金木を製作し、実際に置き足らわして御覧になれば、望外の妙機に出会われることと確信するものである。
 本篇においては『古事記』上巻を天津金木二本組をもって顕示しているが、熟達なされた方は、中巻以降、四本結、八本結、十六本結と本数を増やして、その運用の妙をつかまれることを願いものである。翁自身は本篇末尾において次のように書かれている。
 「実に至大天球の中に於て此書に及ぶ者ある事無し。天文、科学、暦法の如きもその蘊奥の極を収めて照々赫々たり。釈迦の一切蔵理の如きに勝る事億万億也。其証たるや此の書の内に収まり有り在る明細を探り出す時は四十九億余万巻の真書を発表する者也」〉

言霊図表・真須美と日本全国の地体の密合─大石凝真素美「真訓古事記」

 大石凝真素美の「真訓古事記」について、大宮司朗氏は次のように書いている。
 〈本篇は翁最晩年の著述である。水野満年翁宅において本書を脱稿一ヵ月後に微恙を覚えられ、療養に努めるも寄る年波のためか回復渉々しからず、翌々大正二年に逝去されるのである。そのため翁にとってなお不満とせられるところがいくつかあったようであるが修正の機会はなかった。
 とはいえ、本篇こそは翁畢生の大著である。翁によれば『古事記』は無上の事実が八通り収められている極典であり、従ってその研究分野も八通りに大別される。(一)歴史、(二)天文、(三)地文、(四)暦術、(五)人類成立之極元、(六)日本語学、(七)天造之神算木の極典、(八)世界の大通義。本書は特に(六)をポイントとして翁独得の奇想天外から来るともいうべき解釈を縦横無尽に展開する雄篇である。『天津神算木之極典』末尾の一文からは、翁が稗田阿礼の再生との自覚を持っておられたことが窺えるが、とすれば、今の世のため本篇を最後に書き残し、人類の指針の大度衡とすることこそがその再生の使命だったとも言えよう。それ故種々指摘さるべき事柄は多いが、ことに注目されるのは、太古より伝来したとされる言霊図表「ますみの鏡」の玄義を初めて明らかにしていることである。
 「日本語は円明正朗なる声が七十五声有る也。此の七十五声を写真に正列したる鏡を太古より真須美と云ふ也。此の真須美と日本全国の地体と密合して居る也。故に人の体と密合して居る也。又人の心の全体と密合して居る也」
 かく断言し、『古事記』の解と絡めて詳説詳述しているのであるが、この師説を受けた水野満年翁は日本の地理と真須美の連関を示す図を書き残されており、一時三五(あなない)教の人々の間に流布されていたことがあり、私自身も見た記憶がある〉「大石凝真素美全集解題」

七十五声の音韻に秘められたる音義─大石凝真素美「大日本言霊」

 大石凝真素美の「大日本言霊」について、大宮司朗氏は次のように書いている。
 〈徳川末期の言霊学者中村孝道の門人たりし祖父望月幸智より継承された言霊の奥義を基礎とし、刻苦研究すること数十年、明治三六年春、翁七二歳の時に大成されたのが、この『大日本言霊』であり、大正二年には水野満年により天覧にも供されている。直筆原本の標題には『大日本皇国言霊の巻』とある。
 本篇において翁は、日本語の清音、濁音、半濁音の七十五声の音韻に秘められたる音義を明示し、これによって宇宙開闢以来の玄理を闡明したと言えよう。
 「真素美の鏡」の図ならびに至大天球、地球の御樋代としての六角切り子の玉の上に示された言霊の玄意は単に文字のみをもって伝えられるものに非ずして、密教における曼陀羅のごとく観想の対象としての側面を有することに留意されたい。例えば「真素美の鏡」を注視してみれば次のようなことが自ら明らかになろう。
 七十五音が普通の五十音とは違った形で配列されている。最下段にア行、中段にサ行、最上段にカ行が置かれ、そのうち「ア」「ウ」「イ」「サ」「ス」「レ」「カ」「ク」「キ」の九音が「九柱」として特別の意味を持つことに気付く。最下段のア行は最も重い音であり、最上段のカ行が最も軽い音である。サ行が中段にきて、全体の中心に「ス」がある。「ス」は「すめらみこと」や「すべる」の「ス」であり、万物を統合する働きがあることが感得せられる。この七十五段の「音」の階程は翁の考えによれば、宇宙存在の階層秩序であり、図中の「音」の相対的位置関係から七十五音それぞれの持つ「意味」というより「力」を演繹できるのである〉(「大石凝真素美全集解題」)

大石凝真素美「天地茁廴貫きの巻」

 大石凝真素美の「天地茁廴貫きの巻」について、大宮司朗氏は次のように書いている。
 〈本書は明治三三年一一月、翁六七歳の時に脱稿したもので、前著の『弥勒出現成就経』の成立時から既に一〇年の年月を経過している。この間に『成就経』にすでにみられる「ス(○の中にヽ)の思想」、宇宙の四元素としての「天・火・水・地」を表象する天津金木の学がより深められ結実したのである。とはいえ伝記によればその草稿は少くとも明治三一年にはほぼ成っていたらしい。
 なお本書は大正一二年に国華教育社版全集として活字になる以前に、すでに大本教の人々によって書き写され珍重されたことは、当時の関係者の言によっても、筆者の手元にある『神言聖辞』とは題するが同内容の写本からも窺える。実はこの書の内容の大略は、大本の出口王仁三郎氏が大正七年に機関紙『神霊界』大八洲号において本田霊学をも組み入れた形で紹介しているのである。
 本書の内容は初めにス声の玄意について説き、次に天之御中主神、高御産霊神、神産霊神、「タカアマハラ」六声の秘解、次に至大天球中の修理固成、魂線、識心、三貴子の御出生、皇国日本に人類が造醸せられたる極元、四種の人種のいわれ、種姓の厳立、産霊の玄義、大宇宙たる天地と小宇宙たる人体の玄妙なる相関関係、天地自然の大度量衡を説示し、次に至大天球之中の御樋代である正方角体六合八角切り表面並びに裏面の真位、更には天津金木の神器の製作法を述べ、金木組立てによる八咫の鏡、十六紋菊図章、四季正調御年車に言及する。実にこの書には大石凝霊学の根源となる重要なる諸概念が悉く織り込まれ、圧縮凝集せられている。ために一読、不可解、難解の感を通常の人は免かれることはできない。しかし、再読、三読せられれば、誠に奥深き翁の霊学への糸口を見出し、他の翁の著作を理解し、応用していく上で大きな助けになるものと思われる。
 なお本書で特に注目して頂きたいことは、神道系諸教団に量り知れない影響を与えたスの思想がはっきりとその全容を闇霧の中より現出してきたことである。
 「此ス声の神霊を誠に明細に説き定る時は世界一切の極元の真体をも其成り立ちの秩序をも億兆万々劫々年度劫大約恒々兮大造化の真象をも逐一明に資り得らるる也。……中略……スの謂れを明に知らざればあるべからざる也。スが皇の極元なれば也」〉(「大石凝真素美全集解題」)