平成27年1月25日(日)、崎門学研究会で若林強斎先生の『雑話筆記』73~80頁まで輪読(近藤啓吾先生校注の『神道大系 論説編 13 垂加神道 下』収録)。
今日は、有名な一節「自分ガ学問ト云ヘバ、嘉右衛門殿ノ落穂ヲヒラフテ、其説ヲ取失ハヌヤウニスルヨリ上ノコトハナシ」の部分を読めた。「嘉右衛門」とは山崎闇斎のこと。かつて闇斎の高弟浅見絅斎は神道に沈潜する晩年の闇斎についていけなかった。やがて闇斎が病床に伏すようになっても見舞おうとせず、葬儀にも列することがなかった。後に、絅斎は闇斎に対する態度を深く悔い、香をたいて師の霊に謝した。闇斎の偉大さを改めて認識し、その精神の継承を決意するに至った絅斎の言葉が、「自分ガ学問ト云ヘバ、嘉右衛門殿ノ落穂ヲヒラフテ、其説ヲ取失ハヌヤウニスルヨリ上ノコトハナシ」にほかならない。