「儒教」カテゴリーアーカイブ

許紀霖教授の「新天下主義」とは何か

 許紀霖教授の「新天下主義」とは何か。
 以下、『中央日報』2013年06月21日に掲載された「中国が主張する「新天下主義」…閉鎖性を警戒すべき」を転載する。

 〈アジア時代を迎え、国家主義的な限界を越えた普遍的な価値とは何だろうか。国際政治の冷厳な現実の中、アジアの価値をどのように制度化できるだろうか。
最近ソウル大アジア研究所が主催した「世界の中心アジア、普遍的価値を探して」という討論会で、専門家が公開論争を行った。アジアの普遍価値と実現案を集中模索した専門家の視線はやはり中国に向かった。
ソウル大人類学科の金光億(キム・グァンオク)名誉教授は「中国共産党の長期執権を通じた政治的安定の上で市場経済を接続するという“中国式モデル論”が西欧民主主義と資本主義に対する代案として、中国と西欧および周辺国の間の現実的な妥協原理として提示されてきた」とし「しかしこのモデルは依然として国家という枠の中に閉じ込められている」と指摘した。
白永瑞(ベク・ヨンソ)延世大史学科教授(国学研究院長)は中国を理解するキーワードに「帝国」と「儒教」を提示した。白教授は「(中国が)帝国でなく帝国主義になるのを警戒しなければならない」と強調した。帝国だが帝国主義ではないアジアの価値として、白教授は「新天下主義」に注目した。 続きを読む 許紀霖教授の「新天下主義」とは何か

大川周明のアジア統一論

宋学によるアジア思想統一の歴史

近年、アジアの多様性を強調することによって「アジアは一つではない」と説いたり、日本文化の独自性を強調することによって「日本はアジアではない」と説いたりする傾向が目につく。こうした中で、大川周明が「大東亜圏の内容及び範囲」(『大東亜秩序建設』第二篇、昭和18年6月、同様の主調が『新東洋精神』昭和20年4月でも繰り返されている)や、「アジア及びアジア人の道」(『復興アジア論叢』昭和19年6月)で試みたアジア統一論の意義を、再評価する必要がある。
彼は、「大東亜圏の内容及び範囲」で、アジア各地で地方的色彩が豊かであることを認めた上で、「亜細亜文化の此の濃厚なる地方色と、亜細亜諸国の現前の分裂状態とに心奪われ、その表面の千差万別にのみ嘱目して、日本の学者のうちには東洋又は東洋文化の存在を否定する者がある」と指摘する。 続きを読む 大川周明のアジア統一論

趙東一の東アジア文明論

 

ソウル大名誉教授の趙東一氏が東アジア文明論を提唱している。趙氏は近著『東アジア文明論』(知識産業社)において、東アジア文明に現れた儒教・仏教・道教の思考形態を説明し、各国の長所を生かして統合された東アジア学を形成していくべきだと説いた。
アテネ出身のソクラテスがギリシャ人になり、ヨーロッパ人を経て、世界人になったように、魯の国の出身だが、500年後には中国人に、さらに500年後には東アジア人となった孔子が、世界人となるよう、東アジア人が共に努力しなければならないと主張する。東アジアが、有力な世界人候補を、どこの国の人かという論議にこだわっているために東アジア文明が形成されずにいると指摘した(『朝鮮日報』2010年7月11日)。
日本国内では、趙氏の著作の翻訳『東アジア文学史比較論』が刊行されている。

陽明学関連文献


書籍

著者 書籍写真 書名 出版社 出版年 備考
ハイブロー武蔵 通勤大学図解・速習 言志四録 佐藤一斎の教え 総合法令出版 2008年10月
森田康夫 大塩平八郎と陽明学 和泉書院 2008年10月
深澤賢治 陽明学のすすめ〈2〉人間学講話「安岡正篤・六中観」 明徳出版社 2008年10月   続きを読む 陽明学関連文献

杜維明の思想

人間も宇宙の一部

http://www.cuhk.edu.hk/ipro/pressrelease/031024-2.htm
 文明間の対話とも、普遍的な人権思想とも矛盾しないような、儒教思想の確立を目指しているのが、ハーバード大学教授の杜維明氏である。
彼は、宗教思想が担うべき役割の重大さを十分に認識している。2005年4月に「宗教―相克と平和」をテーマとして開催された「国際宗教学宗教史会議第19回世界大会」(日本学術会議など主催)の公開シンポジウム「宗教と文明間の対話」で、彼は「現代は〈第2の軸の時代〉を迎えているのかもしれない」と指摘している。 続きを読む 杜維明の思想