坪内隆彦 のすべての投稿

三上卓先生と真木和泉「大夢記」

三上卓先生は「大夢」と号したが、この「大夢」は真木和泉の「大夢記」に着想を得ていたと考えられる。

 真木は、文化十(一八一三)年に久留米で生まれ、藩校明善堂で学び、弘化元年に水戸遊学を許されて、江戸に赴いている。四度、会沢正志斎を訪ねている。嘉永五年(一八五二)年に、藩政改革の建白をして執政有馬監物らを排斥する藩政の改革を企てるが失敗、以後十年の長い間、塾居生活を余儀なくされた。この時期に真木が書いた倒幕の戦略書が「大夢記」である。山口宗之氏は『真木和泉』において、次のように書いている。 続きを読む 三上卓先生と真木和泉「大夢記」

和辻哲郎「岡倉先生の思ひ出」『帝大新聞』昭和11年1月

今度岡倉一雄氏の編輯で『岡倉天心全集』が出始めた。第一巻は英文で発表せられた『東洋の理想』及び『日本の覚醒』の訳文を載せてゐる。第二巻は『東洋に対する鑑識の性質と価値』その他の諸篇、第三巻は『茶の書』を含む筈であるといふ。岡倉先生の主要著作が英文であつたため在来日本の読者に比較的縁遠かつたことは、岡倉先生を知る者が皆遺憾としたところであつた。今その障害を除いて先生の天才を同胞の間に広めることは誠に喜ばしい企てであると思ふ。 続きを読む 和辻哲郎「岡倉先生の思ひ出」『帝大新聞』昭和11年1月

三島由紀夫の南洲論

銅像との対話─西郷隆盛
三島由紀夫は義挙(昭和45年11月25日)の2年半前の昭和43年4月23日付の『産経新聞』に、「銅像との対話─西郷隆盛」を発表し、次のように書いている。
「あなたは涙を知つてをり、力を知つてをり、力の空しさを知つてをり、理想の脆さを知つてゐました。それから、責任とは何か、人の信にこたへるとは何か、といふことを知つてゐました。知つてゐて、行ひました」


*『三島由紀夫全集第33巻』新潮社、昭和51年、202-203頁

皇道経済

強欲資本主義に対する世界的な反対運動が広がりつつあるいまこそ、わが国は、次のような特徴を持つ「皇道経済」に回帰すべきである。
(1)肇国の理想と家族的共同体、(2)神からの贈り物と奉還思想、(3)エコロジーに適合した消費の思想、(4)自らが成長するための生産=「むすび」、(5)生きる力としての「みこと」意識
⇒「忘却された経済学─皇道経済論は資本主義を超克できるか」(『新日本学』第20号)

非同盟諸国会議

非同盟運動とは?

岡倉古志郎『非同盟研究序説 増補版』
 非同盟運動(Non-aligned Movement)とは、非同盟諸国会議に参加する国を中心とする運動のことである。
1961年9月にユーゴスラビアのベオグラードで開催された会議(⇒スカルノの写真)を起点とする非同盟諸国会議は、反覇権主義、民族自決を掲げる諸国家の会議として継続してきた。

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A New Path for Japan

A New Path for Japan
By YUKIO HATOYAMA

In the post-Cold War period, Japan has been continually buffeted by the winds of market fundamentalism in a U.S.-led movement that is more usually called globalization. In the fundamentalist pursuit of capitalism people are treated not as an end but as a means. Consequently, human dignity is lost.
How can we put an end to unrestrained market fundamentalism and financial capitalism, that are void of morals or moderation, in order to protect the finances and livelihoods of our citizens? That is the issue we are now facing.
In these times, we must return to the idea of fraternity ? as in the French slogan “liberte, egalite, fraternite” ? as a force for moderating the danger inherent within freedom.
Fraternity as I mean it can be described as a principle that aims to adjust to the excesses of the current globalized brand of capitalism and accommodate the local economic practices that have been fostered through our traditions.
The recent economic crisis resulted from a way of thinking based on the idea that American-style free-market economics represents a universal and ideal economic order, and that all countries should modify the traditions and regulations governing their economies in line with global (or rather American) standards. 続きを読む A New Path for Japan

『デイリー・テレグラフ』紙「日中同盟検討を開始」

China and Japan begin talks on building alliance
By Julian Ryall in Tokyo and Malcolm Moore in Shanghai
Telegraph, 5 Oct 2009

Japan and China have been sworn enemies since the Emperor Meiji’s military routed the Chinese forces more than a century ago.
But in a move that will send shock waves around the world, the two countries have begun talks on forging a new union that could make them the most powerful force in the world.
Tokyo and Beijing are discussing plans to create an “East Asian Community,” similar to the European Union, that would improve economic and political relationships in the region. 続きを読む 『デイリー・テレグラフ』紙「日中同盟検討を開始」

バンドン10原則=平和10原則

(1)基本的人権と国連憲章の趣旨と原則を尊重する。
(2)全ての国の主権と領土保全を尊重する。
(3)全ての人類の平等と大小全ての国の平等を承認する。
(4)他国の内政に干渉しない。
(5)国連憲章による単独または集団的な自国防衛権を尊重する。
(6)集団的防衛を大国の特定の利益のために利用しない。また、いかなる国も他国に圧力を加えない。
(7)侵略または侵略の脅威・武力行使によって、他国の領土保全や政治的独立をおかさない。
(8)国際紛争は平和的手段によって解決する。
(9)相互の利益と協力を促進する。
(10)正義と国際義務を尊重する。
(『世界史図説』浜島書店)