以下、「アジアとの関係を最も重視した政治家」(『木村武雄の日中国交正常化─王道アジア主義者・石原莞爾の魂』レビュー、令和4年11月8日)を紹介します。
本書は木村武雄氏が日中国交正常化にどのように尽力したかが描かれていますが、個人的にはインドネシアとの関係の深さ、とりわけスハルト大統領(当時)との関係が印象に残りました。御子息の莞爾氏が中断されていた陸軍第三十六師団の遺骨収集再開スハルト大統領に直訴し、すぐに実現したのは、武雄氏とスハルト大統領との間に深い信頼関係があったからこそだと感じました。
混沌とする世界の中で、「王道アジア主義」とは何か、そして21世紀におけるアジア主義をどのように構築していくか、考えさせられる一冊です。