パソナ・グループ会長・竹中平蔵氏と雇用分野の規制緩和

 2013年10月1日に開催された産業競争力会議で、人材派遣会社パソナ・グループ会長を務める竹中平蔵氏がまとめた資料が配布された。ここには、パソナの利益拡大のために、一気に雇用分野における新自由主義路線を加速させようという意図がにじみ出ているように見える。 同日配布された日本経済再生本部がまとめた「成長戦略の当面の実行方針」には、「雇用制度改革・人材力強化」として次のように謳われている。

「民間人材ビジネス活用の加速や待機児童の解消など、人材力強化や雇用制度改革に向けた取組を早期に進めるとともに、国立大学改革プランを本年10月を目途に取りまとめ、人事給与システム改革をはじめとする大学改革の加速を図る。

○民間人材ビジネス活用の加速化
・ハローワークの求人・求職情報の開放に向けた検討を進めつつ、ニート・フリーター等を対象としたトライアル雇用奨励金の民間人材ビジネス等の活用や対象拡大を前倒しするため、年内に支給要件の見直しを行う。

○少子化対策・男女が共に仕事と子育て等を両立できる環境の整備
・必要な財源を確保しつつ「待機児童解消加速化プラン」による取組の加速的実行を図るとともに、育児休業中の経済的支援の強化や次世代育成支援対策推進法の延長について労働政策審議会等で検討を行い、次期通常国会への雇用保険法改正案及び次世代育成支援対策推進法改正案の提出を目指す。

○高度外国人材の活用促進
・新たな高度外国人材ポイント制度の年内開始に向けた制度改革を進めるとともに、高度外国人材の永住が許可されるための在留歴の短縮に必要な措置を講じるため、次期通常国会に出入国管理及び難民認定法の改正法案を提出する。

○大学のイノベーション機能の強化・大学改革の推進
・国立大学のイノベーション機能を強化するため、大学発ベンチャー支援ファンド等への出資を可能とする措置を前倒しで講ずる(産業競争力強化法案関連)。
・教育・研究機能の強化に向けた人事給与システム改革等を直ちに開始し、平成27年度までに改革を完成させるため、本年10月を目途に国立大学改革プランを策定する」

坪内隆彦