理 想
社會的自由と個人的自由の一致する全人類の健全なる有機的社會の創造を期す。
綱 領
一、天皇を政教の淵源とし維新の鴻謨を翼贊して其發展完成を期すること。
二、社會の單位を家族とし統治の單位を氏子中心とすること。
三、經濟と道徳の一致を求め土地或は職業を與へて一人の飢民なからしむること。
四、社會の均勢を正しく保つべく個別膨張による畸型を訂正すること。
五、社會の血液たる戝の普遍的循行を正しくすべく血滯的戝の偏在を療治すること。
六、文化向上の施設を計り大衆をして齋しく其澤に浴せしむること。
七、生産と消費との均衡を量り天物人力の浪費を避くること。
八、仕亊と趣味の一致を求めて人心の暢逹を圖り社會の安定を期すること。
九、職業に高下を認めず等しく品位を高めしめ噐械化奴隸化たらしめざること。
十、金融交通通信生産の配給等統治の動脈たるものは凡て國營とすること。
十一、人種平等の徹底を期す。
十二、移住の自由と關税の撤廢を期す。

(山田圭一郎「敬天愛人運動を起せ」『大日』28号、昭和7年4月1日、17頁)。

坪内隆彦