国民福祉の父、渋沢栄一 『水戸学で固めた男・渋沢栄一』レビュー(愚泥氏、令和3年10月29日)

国民福祉の父、渋沢栄一
 渋沢栄一は「日本資本主義の父」として紹介される。しかしそれは正しいのか?というのが著者の問題意識だ。本書を読んで、むしろ「国民福祉の父」と称するのが正しいのではないだろうかという感想を持った。
 渋沢は日本的経営、つまり年功序列賃金の生みの親としても知られている。そして人民と苦楽を共にしたいという明治天皇の大御心を拝し、養育院の存続や救護法(生活保護)の実施に全霊を傾けた。
 その背景にあるのは渋沢が若い時から学んだ水戸学の精神だ。水戸学は尊皇攘夷を頑なに唱えた学問というイメージを現代人は持っているかもしれないが、水戸学には経世済民の精神の面も濃厚に持ち合わせている。そうした水戸学の愛民政治の側面を受け継いだのが渋沢だったのだ。


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