江戸時代に国民の皇室に対する関心は低かったのか?─鳥巣通明『明治維新』の主張

 
 果たして、江戸時代に国民の皇室に対する関心は低かったのか。
 平泉澄先生門下の鳥巣通明は、『明治維新 日本人のための国史叢書7』(日本教文社、昭和40年)において次のように書いている。
 「近頃の学者の中には、江戸時代には幕府の権勢が強かったので国民の皇室に対する関心はとぼしかった、むしろ、皇室は国民にとって縁の無い存在であった、とまことしやかに説く者がいる。だが、それは例の特定の政治的意図にもとづく発言にすぎず、まったくの誤りである。日本民族の間には遠い昔から皇室に対する敬愛の情が流れていた。全国的統一が失われ、皇室の式微がはなはだしかったあの戦国時代でも、民衆の間には、尊皇の伝統は強く生きていた」

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