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里見岸雄『国体論史 上』読書ノート①

里見岸雄は『国体論史 上』において、近世の国体論を通観して次のように書いている。
「……江戸時代の国体論は、必ずしもひとり国学派にその発達の頂点を見るべきものではない。それは大体、江戸時代前期に於ける御用儒学中心の国体論、中期に於ける国学の拾頭、後期に於ける水戸学的実践と次第したものと思ふが、国学派と水戸学派とは、学問的方法論に於て対立し、或る意味では氷炭相容れざるが如き論難攻撃をすら相互に応酬したが、そして、水戸学の採用した儒教的方法が、国学派から曰はせれば、不純なものであり未だ真乎国体に徹せざるものとして斥けられはしたが、然かもその水戸学から、大義名分王覇の峻別は絶叫し出され、封建社会の矛盾の激化と伴うて革新的、戦闘的、実践的国体論が指頭し来り、幕末に到っては更に国際的新情勢の附加に伴ふ攘夷論と結びついて、つひに、国体論は、観念的信仰的陶酔、机上的書斎的学問から一躍、政治的、実践的性格を獲得して、維新の精神的推進力となったのである。 続きを読む 里見岸雄『国体論史 上』読書ノート①

藤田東湖関連文献


書籍

著者 書籍写真 書名 出版社 出版年 備考
藤田東湖 維新草莽詩文集 新学社 2007年6月 新学社近代浪漫派文庫
童門冬二 尊王攘夷の旗―徳川斉昭と藤田東湖 光人社 2004年6月  
但野正弘 水戸烈公と藤田東湖『弘道館記』の碑文 水戸史学会 2002年8月   続きを読む 藤田東湖関連文献