「月刊日本」編集長・坪内隆彦『維新と興亜に駆けた日本人』(展転社)を読む。本書は、『アジア英雄伝』に続く「反植民地・アジア独立論」の第二弾である。我々が忘れさせられたホンモノの思想家、革命家たちが、ここにいる。本書は、最近、珍しい危険な書、つまり革命的熱情を喚起する書である。
僕は、自分の優柔不断な、市民主義的な不甲斐なさを顧みもせず、いたずらに歴史に残る英雄豪傑を賛美し、その破天荒な生き方に酔い痴れるのは好きではない。昨日も「憂国忌」に出席してきたが、その種の話が少なくなかった。三島由紀夫や吉田松陰、西郷隆盛、あるいは大塩平八郎・・・を賛美することは容易なことである。ただ賛美すればいいのだから。自分は、それこそ小市民的なみみっちい生活を満喫しながら、理想や義に生き、若くして命を捨てたり、獄中に二、三十年を過ごさざるをえなかったような偉大な革命家や思想家たちを褒め称えるだけなら、炬燵で蜜柑を貪りながら韓流ドラマに酔い痴れるご婦人達とたいして違いはない。坪内隆彦の新著『維新とと興亜に駆けた日本人』も、「アジア独立」に命懸けて取り組んだ日本の英雄豪傑たちを取り上げている。一見すると、この本も、「高見の見物」的な視点からの凡庸、且つ無責任な「英雄豪傑賛美論」に見える。しかし、僕は、坪内隆彦が、どういう人物かということを知っている。 続きを読む 『維新と興亜に駆けた日本人』の書評(2011年11月26日)─山崎行太郎氏の政治ブログ『毒蛇山荘日記』
僕は、自分の優柔不断な、市民主義的な不甲斐なさを顧みもせず、いたずらに歴史に残る英雄豪傑を賛美し、その破天荒な生き方に酔い痴れるのは好きではない。昨日も「憂国忌」に出席してきたが、その種の話が少なくなかった。三島由紀夫や吉田松陰、西郷隆盛、あるいは大塩平八郎・・・を賛美することは容易なことである。ただ賛美すればいいのだから。自分は、それこそ小市民的なみみっちい生活を満喫しながら、理想や義に生き、若くして命を捨てたり、獄中に二、三十年を過ごさざるをえなかったような偉大な革命家や思想家たちを褒め称えるだけなら、炬燵で蜜柑を貪りながら韓流ドラマに酔い痴れるご婦人達とたいして違いはない。坪内隆彦の新著『維新とと興亜に駆けた日本人』も、「アジア独立」に命懸けて取り組んだ日本の英雄豪傑たちを取り上げている。一見すると、この本も、「高見の見物」的な視点からの凡庸、且つ無責任な「英雄豪傑賛美論」に見える。しかし、僕は、坪内隆彦が、どういう人物かということを知っている。 続きを読む 『維新と興亜に駆けた日本人』の書評(2011年11月26日)─山崎行太郎氏の政治ブログ『毒蛇山荘日記』