木村三浩氏「他人をさげすんで自らを慰撫する、お手軽ナショナリズム」

対米追従を続けつつ、近隣諸国を見下す「右派・保守派」をどう考えるべきなのか。平成25年7月17日付の『朝日新聞』に、一水会の木村三浩代表の主張が掲載されているので、その一部を転載させていただく。

〈■お手軽な愛国主義に席巻され 「一水会」代表・木村三浩さん
和をもって貴しとなす。これこそが日本の伝統であり、私たち右翼が目指してきた日本のあるべき姿です。国や民族や文化や考えが違っても、相手を尊重するのが「大和」の国、日本です。
しかしどうですか、いまの日本は。嫌韓国、嫌中国を語ることで日本人の劣化から目を背け、見せかけの自信を得ようとしています。お手軽で、非歴史的で検証に耐えない。日本は右傾化したと言われていますが、民族派右翼である私はむしろ、暗然たる気持ちでこの社会を見ています。

ソ連崩壊と、それに伴う左翼の失墜にあぐらをかいてしまっているのではないでしょうか。左翼とは理想を語る人たちです。その理想は強力でしたから、私たちも彼らに対抗できるようマルクスやエンゲルスを読んで勉強したし、彼らと議論することによって、自らの思想を深めました。しかし日本の左翼思想は外来であるがゆえに脆弱(ぜいじゃく)で効力を失い、それに伴い右翼も理想を語らなくなった。代わりに出て来たのが、他人をさげすんで自らを慰撫(いぶ)する、夜郎自大なお手軽ナショナリズムです。

<惰性の米国追従>
戦後自民党はもともと、反共産主義、つまり理想ではなく「反」に立脚した政党だと考えた方がいいと思います。アメリカの要請、時代の要請だったのでその是非を問うても仕方ありませんが、少なくとも冷戦終結後は、「反」を超えて、世界の中でどういう日本を目指すのか自分の頭で考えなければならなかった。ところが結局、アメリカについていけばいいんだという惰性に流れてしまいました。損か得か、ごく短い時間軸でしか物事を考えられない定見を欠いた国。それが今の日本です。
「アメリカと仲良くすることが日本の国益につながる」という政治家や官僚の言説がまかり通っていますが、国益は、目先の損得とは全く違う次元で構想されるべきでしょう。大国の陰に隠れてものを言うような国が、他国から尊敬されるはずがありません。
決定的だったのは、イラク戦争への加担です。真っ先に開戦を支持し、協力した。そこには日本独自の判断なんかみじんもないし、その判断が妥当だったかの検証すらいまだに行われていません。こんな現状を放置したまま憲法を改正したら、集団的自衛権の旗印のもと、アメリカの下請けとして、どこまでも引きずられて行くことになる。ゆえに現時点では、憲法改正には反対せざるを得ません〉

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