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大東亜大使会議共同宣言(昭和二十年四月二十三日)

第一項 「国際秩序確立の根本的基礎を政治的平等、経済的互恵及固有文化尊重の原則の下、人種等に基づく一切の差別を撤廃し、親和協力を趣旨とする共存共栄の理念に置くべし」
第二項 「国の大小を問わず政治的に平等の地位を保障せられ、且其の向上発展に付均等の機会を与へらるべく、政治形態は各国の欲する所に従ひ、他国の干渉を受くることなかるべし」
第三項 「植民地的地位にある諸民族を解放して各々其の所を得しめ、倶に人類文明の進展に寄与すべき途を拓くべし」
第四項 「資源、通商、国際交通の壟断を排除して経済の相互交流を図り、以て世界に於ける経済上の不均衡を匡正し、各国民の創意と勤労とに即応したる経済的繁栄の普遍化を図るべし」
第五項 「各国文化の伝統を相互に尊重すると共に、文化交流に依り、国際親和並に人類の発展を促進すべし」
第六項 「不脅威、不侵略の原則の下、他国の脅威となるべき軍備を排除し、且通商上の障害を除去し武力に依るは固より、経済的手段に依る他国の圧迫、乃至挑発を防止すべし」
第七項 安全保障機構に付ては、「大国の専断並に全世界に亘る画一的方法を避け、実情に即したる地方的安全保障の体制を主体とし、所要の世界的保障機構を併用する秩序を樹立し旦不断に進展する世界各般の情勢に即応し、国際秩序を平和的に改変するの方途を啓くべし」

坪内隆彦

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坪内隆彦