坪内隆彦 のすべての投稿

鬼倉足日公とすめら教

青柳種信と辛島並樹

明治時代になって神祇伯は廃止され、白川家も子爵になった。やがて、第33代の白川資長の代で白川家は絶家となってしまう。しかし、伯家神道はいくつかのルートで伝承されていた。その1つが、第30代の雅寿王によって伝授された青柳種信のルートである。 続きを読む 鬼倉足日公とすめら教

本田親徳の古神道

神道霊学中興の祖

本田親徳
 文政5(1822)年1月に薩摩藩で生まれた本田親徳(ほんだちかあつ)は、幼い頃から漢学と剣道を修業した。天保10(1839)年、17歳のときに京都に出て、その後江戸に移った。会沢正志斎に入門し、和漢の学を学んでいる。平田篤胤の家にも出入りしていたとされている。
京都に滞在していた天保14(1843)年、21歳のとき、狐憑きの少女に会い、憑霊状態で和歌を詠むのに衝撃を受け、霊学研究に入ったという。この「和歌を詠む」という点が、極めて重要なのではなかろうか。彼は、歌の機能に対する特別な思いを抱くようになったに違いないからである。
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伯家神道

「息吹永世の伝」

 

伯家部類「白川家系図」第一頁
(『神道体系 論説編11 伯家神道』)
 明治維新までおよそ800年、31代に亘って、宮中祭祀を取り仕切ってきた貴族の家系、伯家(白川家)に継承されてきた神道が伯家神道である。伯家は、花山天皇(第65代、在位984~986)の皇子清仁親王の子、延信王が寛徳3(1046)年に神祇伯に任ぜられたのがはじまりとされる。
伯家神道には、「息吹永世の伝」と呼ばれる独特の呼吸法による修行(花谷幸比古、菅田正昭共著『古神道の氣』コスモ・テン・パブリケーション、1991年、123~124頁)や、「究の字」と呼ばれる神事占法がある。 続きを読む 伯家神道

古神道関連文献

関連書籍類

 

著者 書籍写真 書名 出版社 出版年 備考
水波一郎 神伝禊法─新時代の霊的トレーニング デザインエッグ社 2013年12月 『神伝禊法入門』を全面的に書き直したものが本書である。『神伝禊法入門』から30年近くの時が流れた。その間、禊は進歩した。火の禊は光の禊に変わり、修行法としてより高度になった。前書で書かなかった禊の神秘をも紹介している。スピリチュアルが溢れ、心の成長を唱える人も多いが、幽的身体そのものを進化させる秘儀がない。神伝禊法は、最も価値のある霊的トレーニングである。
ウィリアム・トゥフェザー、中矢伸一、ベンジャミン・フルフォード 古神道とネイティブアメリカン スピリチュアルウォリアーたちの未来デザイン会議 ヒカルランド 2012年8月 ネイティブアメリカンのアパッチ族から兄弟たる神道の国日本に熱きメッセージが届く!
「あなた達日本人は今、霊的戦争の真っ最中にあるにもかかわらず、その自覚が全くないのです。この戦争はリアルなものです。戦わずして、敵の軍門に下ることはあってはならないことです。なぜならあなた方日本人こそ、世界に冠たるスピリチュアルウォリアーズそのものだからです」
中矢伸一 日月神示と古神道が隠し持つ救国のマニュアル ミロクの経済学 ヒカルランド 2012年3月 日本は欧米略奪型の“集金マシン”経済を一掃し、今こそ、古来連綿と保ち続けた“弥栄永遠”“天産自給”の経済モデルを実現しなければならない―世界は日本の「その選択」を待っている。名著『神道経済救国論』待望の完全リニューアル版。
山田雅晴 2013年太陽系大変革と古神道の秘儀 たま出版 2012年1月 古神道の最大秘儀「天の岩戸開き」は、太陽系の霊的大変革だった。―2013年から本格化するグレートチェンジ「天・地・人の岩戸開き」により、地球と人類の急激な霊的進化が始まる。『決定版・神社開運法』『太陽の神人・黒住宗忠』などで人気の古神道家が、ついに預言・警世の書を刊行。古神道修行などで発現した霊能力により、アカシックレコードへのアクセスに成功。大変革を乗り切るための「霊的秘策」を公開する。
山蔭基央 神道の神秘―古神道の思想と行法 春秋社 2010年11月 神道は日本人の精神の奥底にある生命であり、日本文化の基盤である。深遠なる霊学から「鎮魂」の行法まで、古神道を伝承し、発展させてきた経験から、新時代へ向けて神道の真髄、特にその神秘的な側面を易しく語る。
大宮司朗 古神道の身体秘伝―「古事記」の密義 新装版 ビイングネットプレス 2008年8月
古神道の秘伝行法 ビーエービージャパン 2006年2月 続きを読む 古神道関連文献

大日本殉国会

「外部ノ物質的援助ヲ仰ガズ」

 華々しい活躍はしなかったものの、無私に徹した運動を志していた維新団体として知られているのが、大日本殉国会である。
大正15年2月11日、古着屋を営んでいた増井潤一郎が旗揚げした団体である。増井は新潟県高田の出身で、小学校の教師をしていた父から武士的教育を受けるとともに、漢学を仕込まれて成長した。増井の脳裏には、父から教えられた『日本外史』をはじめとする著書に示された楠一族の殉国物語が深く沁み込んでいた(荒原朴水『大右翼史 増補版』大日本一誠会出版局、1974年、100頁)。 続きを読む 大日本殉国会

玄洋社関連文献

関連書籍

著者 書名 出版社 出版時期
頭山満、的野半介、杉山茂丸、内田良平、夢野久作 玄洋社怪人伝――頭山満とその一派 書肆心水 2013年10月
頭山満 頭山満思想集成 書肆心水 2011年10月
石瀧豊美 玄洋社・封印された実像 海鳥社 2010年10月
頭山満、杉山茂丸、内田良平、犬養毅 アジア主義者たちの声〈上〉玄洋社と黒龍会、あるいは行動的アジア主義の原点 書肆心水 2008年4月
大川周明著、中島岳志編 頭山満と近代日本 春風社 2007年12月
立雲頭山満先生講評 『大西郷遺訓』出版委員会編 大西郷遺訓 K&Kプレス 2006
堀 雅昭 杉山茂丸伝―アジア連邦の夢 弦書房 2006
頭山満 頭山満言志録 書肆心水 2006 続きを読む 玄洋社関連文献

玄洋社写真

玄洋社は、明治12年(14年説もあり)に設立されたとき、福岡区本町(現在の福岡市中央区赤坂1丁目付近)にあったが、明治20年頃、西職人町(現在の同区舞鶴2丁目)に移転した。


写真は西職人町時代の玄洋社

鳩山由紀夫の曾祖父・寺田栄

玄洋社幹部で、孫文の革命を支援

鳩山由紀夫の曾祖父・寺田栄は、玄洋社幹部で、孫文の革命を支援した人物である。『東亜先覚志士記伝』には寺田について次のように書かれている。
「福岡県人寺田案山子の長男、安政6年11月を以て生れ、明治10年分れて一家を創立した。同15年明治法律学校を卒業し、司法官登用試験に合格して東京及横浜地方裁判所判事、京橋区裁判所監督判事、高崎区裁判所判事等を歴任し、明治30年1月衆議院書記官に任ぜられ、議事課長、秘書課長、警務課長等を経て大正6年5月衆議院書記官長に進み、同12年8月願に依り免官となると共に貴族院議員に勅選され、14年6月営繕管財顧問を仰付けられた。東亜の諸問題に就ては民間有志と志を同じくし、直接間接に力を致す所があった。大正15年1月病んで歿す。年68。男孝家を嗣ぐ、鳩山一郎夫人薫子はその女である」 続きを読む 鳩山由紀夫の曾祖父・寺田栄

井筒俊彦の精神的東洋

天心の着想と共時的構造化の試み
井筒俊彦
1982年、井筒俊彦は『意識と本質―精神的東洋を索めて』の後記において、次のように書いた。
「東洋哲学─その根は深く、歴史は長く、それの地域的拡がりは大きい。様々な民族の様々な思想、あるいは思想可能体、が入り組み入り乱れて、そこにある。西暦紀元前はるか遡る長い歴史。わずか数世紀の短い歴史。現代にまで生命を保って活動し続けているもの。既に死滅してしまったもの。このような状態にある多くの思想潮流を、『東洋哲学』の名に値する有機的統一体にまで纏め上げ、さらにそれを、世界の現在的状況のなかで、過去志向的でなく未来志向的に、哲学的思惟の創造的原点となり得るような形に展開させるためには、そこに何らかの、西洋哲学の場合には必要のない、人為的、理論的操作を加えることが必要になってくる。 続きを読む 井筒俊彦の精神的東洋