志岐武彦、山崎行太郎共著『最高裁の罠』
内容
「検察の罠」から「最高裁の罠」へ
「小沢事件」及び「小沢裁判」は、日本国家の暗部を次々と暴露してきた。東京地検特捜部の暗部、検察審査会の暗部、マスコミの暗部、そして米国の植民地支配の暗部……。
本書が取り上げるのは、「検察の罠」の先にある「最高裁の罠」である。 最高裁の司令塔の役割を担っているのは、「最高裁事務総局」という組織である。そして、この最高裁事務総局こそが、小沢一郎を強制起訴に追い込んだ検察審査会を管轄しているのである。
「守秘義務」や「非公開の原則」などによって秘密のヴェールに包まれたままの最高裁や検察審査会の深い「闇」。本書はその「窓のない、黒くて、ぶ厚い石の壁」に挑んだ記録である。
我々は多くの証拠や文献、そして現場での調査から、次のように結論せざるを得なかった。
●「小沢一郎検察審査会は、開かれていなかったのではないか」
●「検察審査会メンバーは、本当は存在しないのではないか」
●「小沢一郎強制起訴は、『架空議決』だったのではないか」
目次
◎はじめに◎ 11
■第一部■
検察審査会は本当に開かれたのか(志岐武彦)
第一章 疑惑
起訴議決日の謎 18
不自然な新聞報道 20
コロコロ変わる審査員の平均年齢 22
なぜか沈黙するマスメディア 23
検審審査会事務局に乗り込む 24
「私たちはやましいことはしていません」 28
審査員は本当に存在するのか 31
伝田事務局長の言い分 33
第二章 黒塗りの書面
情報開示請求を武器に戦う 37
一年振りの検察審査会事務局 38
クジ引きに立ち会ったのは誰か 39
情報開示の延期に抗議する 42
開示通知という名の不開示通知 43
「生年月日」は個人情報か 44
個人を特定できない個人情報 46
事務局も一枚岩ではない 50
「生年月」もまた個人情報 52
真っ黒に塗りつぶされた開示文書 55
第三章 深まる闇
審査員の選定方法の問題点 58
法律に反するクジ引きソフト 60
クジ引きソフトと最高裁 63
操作マニュアルを入手 66
「複合的な間違い」とは何か 68
仕組まれた起訴議決 70
第四章 黒幕・最高裁
検察審査会と最高裁事務総局の関係 74
最高裁事務総局の役割 77
巨大な権力を握る最高裁事務総局 79
検察審査会を管理する組織 80
最高裁事務総局に乗り込む 82
「警察を呼びますよ」 85
過剰反応を示す事務総局 88
クジ引きソフトの問題点を認めた 90
口頭でしか回答できない 92
合点のいかない説明 93
最高裁の裏金疑惑 97
最高裁裏金裁判が開廷 100
第五章 潰された法務委員会秘密会
有罪判決を阻止せよ 103
法務委員会秘密会の開催を要請 104
外国人記者たちに「小沢事件」を伝える 106
有罪判決のような無罪判決 107
なぜ秘密会は開かれないのか 108
小沢派議員の様子がおかしい 109
政権にとりこまれた議員たち 111
第六章 最高裁を追い詰めろ
起訴議決を覆す突破口 114
斎藤検事は本当に起訴議決前に説明に行ったのか 115
斎藤検事の証人喚問に慌てた最高裁 117
お決まりの不開示通知 118
今度は東京地検を攻める 120
斎藤検事の出張記録は存在しない 122
資料がないのだから開示しようがない 125
「訴訟に関する書類」とは何か 126
森ゆうこ議員との打ち合わせ 127
参議院予算委員会で追及する 129
窮地に立たされた最高裁事務総局 134
第七章 リーク情報を垂れ流すマスコミの罪
自分の足で情報を集めないマスメディア 140
マスコミのウソ 142
審査員の出頭日を暴く 144
吉田審査補助員はいつ選任されたのか 145
読売新聞社に対する公開質問状 147
「間違っていないと確信しています」 147
実態からかけ離れたリーク 151
第八章 これが合理的帰結だ
謎はすべて解けた 153
最高裁事務総局は情報開示せよ 155
■第二部■
「小沢事件」を読み解く(山崎行太郎)
第一章 「検察の罠」から「最高裁の罠」へ
日本国家の病巣 160
江藤淳の先見性 162
言語を喪失した日本人 163
スケープゴートになった特捜部 165
「最高裁の罠」とは何か 166
「鈴木宗男議員上告棄却」情報の怪 168
最高裁事務総局の正体 169
「ヒラメ裁判官」の本分 171
最高裁事務総局は「陸上勤務」 173
裁判所の自己否定 175
弁護士をも支配する最高裁事務総局 176
第二章 弱体化した日本国家
専門家は当てにならない 179
専門家の陥穽 180
法への驚きがない法学者たち 182
根源的に思考する素人 184
国家の暴力 185
穏健な改革者・小沢一郎 188
日本国家を再強化するために 190
■第三部■
検察審査会は有罪偽造装置だ!
第一章 [対談]石川知裕・山崎行太郎 194
第二章 山崎行太郎インタビュー 205
◎ おわりに◎ 215
著者
志岐武彦(しき・たけひこ)
1942年、京城(現ソウル)に生まれ、終戦とともに引揚げ。東京都立大学理学部化学科卒。1966年、旭化成(株)入社。10年間商品開発業務に携わった後、「住宅事業部門」(へーベルハウス)に移り、東京、北関東、関西の技術総括部長、関西営業部長、品質管理部門長などを歴任。阪神大震災では復興復旧本部長。2004年退社(旭化成元役員)。2009年からブログ「一市民が斬る! ! 」を主宰。
山崎行太郎(やまざき・こうたろう)
哲学者、文藝評論家。1947年鹿児島生れ。慶応義塾大学哲学科卒業。同大学院修了。東工大、埼玉大学を経て、現在日大芸術学部講師。小林秀雄、江藤淳等の影響を受けて「三田文学」から文藝評論家としてデビュー。著書に『小林秀雄とベルグソン』、『小説三島由紀夫事件』。近著『それでも私は小沢一郎を断固支持する』がベストセラーに。現在、『月刊日本』に「月刊・文芸時評」を連載中。ブログ「毒蛇山荘日記」で政治評論、政治哲学を中心に言論活動中。「江古田哲学研究会」主宰。
出版社: ケイアンドケイプレス
定価 ¥1,575(税込)