ソウル大名誉教授の趙東一氏が東アジア文明論を提唱している。趙氏は近著『東アジア文明論』(知識産業社)において、東アジア文明に現れた儒教・仏教・道教の思考形態を説明し、各国の長所を生かして統合された東アジア学を形成していくべきだと説いた。
アテネ出身のソクラテスがギリシャ人になり、ヨーロッパ人を経て、世界人になったように、魯の国の出身だが、500年後には中国人に、さらに500年後には東アジア人となった孔子が、世界人となるよう、東アジア人が共に努力しなければならないと主張する。東アジアが、有力な世界人候補を、どこの国の人かという論議にこだわっているために東アジア文明が形成されずにいると指摘した(『朝鮮日報』2010年7月11日)。
日本国内では、趙氏の著作の翻訳『東アジア文学史比較論』が刊行されている。