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農本主義関連文献

書籍

著者 書籍写真 書名 出版社 出版年 備考
原宗子 「農本」主義と「黄土」の発生―古代中国の開発と環境 2 研文出版 2005年 古代中国の開発と環境 (2)
綱沢満昭 農の思想と日本近代 風媒社 2004年
武田共治 日本農本主義の構造 : 老農農本主義、官僚農本主義、教学農本主義、社会運動農本主義、アカデミズム農本主義の比較検討を通して 創風社 1999年
野本京子 戦前期ペザンティズムの系譜 : 農本主義の再検討 日本経済評論社 1999年
岩崎正弥 農本思想の社会史 : 生活と国体の交錯 京都大学学術出版会 1997年   続きを読む 農本主義関連文献

近代デジタルライブラリーで閲覧可能な興亜論関連文献

森本藤吉『大東合邦論』森本藤吉、明治26年

荒尾精『対清意見』博文館、明治27年

副島種臣著、片淵琢編『副島伯閑話』広文堂、明治35年

宮崎滔天『三十三年の夢』国光書房、明治35年

北輝次郎『国体論及び純正社会主義』北輝次郎、明治39年 続きを読む 近代デジタルライブラリーで閲覧可能な興亜論関連文献

修験者・山本秀道の奉還思想

秘法「恵印三昧耶法」と精神障害治療
 大石凝真素美が36歳の時に弟子入りした修験者・山本秀道とは、一体いかなる人物だったのか。
 秀道は、文政10(1827)年2月16日に美濃国不破郡宮代村で正寿院秀道として生まれた。山本家は、江戸時代までは鉄塔山天上寺と称し、南宮山の一画に坊を構え、院号を正順院または正寿院と号する醍醐三法院に連なる修験の家であった。修験道は、寛政11(1799)年に光格天皇より「神変大菩薩」の諡号を受けた役行者、役小角(えんのおづの)を開祖とする。伝説によると、役小角は摂津国の箕面山の大滝で、インドの僧ナーガールジュナ(龍樹菩薩)の「大いなる法」を授けられたという。
 役小角入滅後、醍醐寺開山の聖宝・理源大師(832~909年)が、大峰山を巡歴し、霊的相承によって役小角の秘法を受け、醍醐派修験道の秘法として後世に継承したとされている。この秘法は「恵印三昧耶法」(「恵印法流」)と呼ばれ、7段階の修法によって構成されている。
 父正寿院秀詮は、83歳にして弟子数十名を率いて寒中の養老の滝に浴する事30日という強の人であった。彼は、「狂人を祈祷し至当乃道理を説得して其親祖兄弟姉妹親戚に至るまでを感伏せしめて前非を改良し将来を慎ましむ全快を得る者千有余人」と伝えられた。彼は、「山本救護所」の名称で加持祈祷による精神障害者収容施設を運営していたのである。
 「伝統治療の豊かさと危うさ:滝、祈祷、温泉、迷信」もまた、「山本救護所」に注目している。梅村貞子氏によると、秀詮が精神病治療に用いたのは、修験道の中心的修法である「加持祈祷」と、山本家内の複雑な対人関係から生み出された家族調整の手段としての「説得」であった。

 しかし、神仏分離令によって神仏習合の色合いが強い修験道は変容を迫られた。明治3(1870)年6月、鉄塔山天上寺は廃寺となり、山本家の宗教的基盤も修験道から神道へと移った。この結果、「山本救護所」の精神病治療も加持祈祷から生活上の実践へと変化した(梅村貞子「精神障害者収容施設山本救護所の歴史」『郷土研究岐阜』1976年12月、13~17頁)。
 大石凝真素美は慶応末年に秀道に弟子入りし、俵佐村の勝宮(勝神社)で、鎮魂帰神法を実践していたとされる。山本白鳥氏は、大石凝の天津金木学は秀道との霊的な共同作業として、神人合一によって成就されたと指摘している。この作業には、太玉大観と名乗る木村一助が参加していたが、途中で木村が脱落したことで、「神業」は全体として未完に終わったという(山本白鳥「大石凝翁ゆかりの地を訪ねて」(大石凝真素美全集刊行会『大石凝真素美全集 解説編』1981年)、84頁)。
 さて、秀道の思想として注目すべきは、その奉還思想である。彼は、明治17(1884)年12月、「我が所有の地所はじめ金銀財貨の類残らず大君へささげ奉ってくれ」と郡役所を通じて、県令に申し出た。これに対して、役所側は狂人のたわ言として、取り合わず放置した。その2年後の明治19(1886)年4月1日、山本家が火事になり、貴重な古文書等が失われてしまった。ところが、秀道はなんら頓着することなく、この火事を「物を私有仕り候故の天遣」と受け止めていたという(前掲81頁)。秀道は、その6年後の明治25(1892)年5月に死去している。

内田良平関連書

著者 書籍写真 書名 副書名 出版社 出版年
内田良平研究会編著 国士内田良平 その思想と行動 展転社 2003年
内田良平編 朝鮮統治問題に就て先輩並に知友各位に訴ふ 復刻版 龍渓書舎 1996年 (韓国併合史研究資料 ; 19)
内田良平文書研究会編 内田良平関係文書 第1巻 – 第11巻 芙蓉書房出版 1994年
内田良平文書研究会編 内田良平関係文書付録 第1巻第6号 亜細亜時論 芙蓉書房出版 1994年
内田良平文書研究会編集・解題 黒龍会関係資料集 復刻版 1 – 10 柏書房 1992年 (日本国家主義運動資料集成 ; 第1期) 続きを読む 内田良平関連書

東洋学館規約緒言

我東方アジア州を振興するの説は夙に世に起り、邦内すでに興亜会の設けあり、吾輩もかつて茲に慨すること久し、因て今同志の諸士と相謀り、此館を海外に設立す、けだしその趣意たるや大いに東洋の衰運を挽回して以て泰西諸邦と衡を世界に争い遠く威光を洋外に発揚するにあり、吾輩切に国を愛し世を憂うるのあまりあえてその偉業を以て自ら任じ、しこうしてこの趣意を達せんと欲す、必ずや東洋諸国親和して以て輔車相依り唇歯相保つの大要を失うべからず、今其事に従うやまず清国の世態民情に達し学術言語に通ずること尤も当務の急にして今日東西諸国交通の密接なる兼ねて泰西諸邦の学術を究め言語を学ばざるべからず、しかるのち交際の親以て修むべく通商の道以て講ずべき也、それ我嶋国は東洋の隅に孤立し清国は広くアジア大陸を占めその大勢の傾くところ我にして壹に能く独りこれを免るるを得べけんや、その交渉の重かつ密なることそれかくのごとし、然るに独り怪む、方今外交の要を論じ海外に留学せんとする者はみだりに欧米を説き、清国にいたりては相知らざる者のごとし、これ吾輩がこの挙を企つる所以なり、彼の上海は東洋要路の津にして船舶の幅較する所財貨の堆積する所たり、少壮の子弟はよろしくその才を長じ智を試むべきの好地にしてかつ我国と岸を隔つる遠きにあらずI葦航すべきの便あり、江湖同志の諸君はそれ幸いに吾輩の微志を賛成し来り学べよ

河井継之助関連文献

書籍

著者 書籍写真 書名 出版社 出版年
深澤賢治 陽明学のすすめ〈4〉人間学講話 河井継之助 明徳出版社 2012/12
稲川 明雄 決定版 河井継之助 東洋経済新報社 2012/7/27
稲川明雄 (著) 河井継之助のことば 新潟日報事業社 2010/12/12
星亮一 『長岡藩軍事総督 河井継之助―武士道に生きた最後のサムライ』 ベストセラーズ 2004年12月
早坂茂三 『怨念の系譜―河井継之助、山本五十六、そして田中角栄』 集英社 2003年11月
太田修 『河井継之助と明治維新』 新潟日報事業社 2003年11月
童門冬二 『山田方谷 : 河井継之助が学んだ藩政改革の師』 学陽書房 2002年
平林卓郎 『一発の銃弾 : 河井継之助小伝』 文化書房博文社 2002年 続きを読む 河井継之助関連文献

中野正剛関連文献

書籍

著者 書籍写真 書名 出版社 出版年 備考
室潔 評伝中野正剛 早稲田大学出版部 2021年
濱地政右衛門   憂国の士・中野正剛 海鳥社 2010年
中野正剛、小島晋治監修 我が観たる満鮮 復刻版(大正中国見聞録集成 第1巻) ゆまに書房 1999年
室潔著 東條討つべし : 中野正剛評伝 朝日新聞社 1999年

渡邊行男

中野正剛自決の謎 葦書房 1996年
中野泰雄 父・中野正剛 : その時代と思想 恒文社 1994年
中野正剛 明治民權史論 復刻版 葦書房 1994年   続きを読む 中野正剛関連文献

南方系社会と神の森の信仰

『南の精神誌』の主張

 日本の神社の起源はどこにあるのか。南方系説を唱える岡谷公二氏は、『南の精神誌』(新潮社、2000年)において、次のように書いている。
「インドネシアは一般にイスラムを宗教としているが、バリはヒンズー教を信じるほとんど唯一の島である。しかしインドのヒンズー教とは大分様相が異り、土着の宗教と習合していて、どこか日本の古い信仰を思わせるところがある。プラとは、このヒンズー教の聖地で、寺と訳されることが多いが、あきらかに神社に近い。チォンディ・ブラタールと呼ばれる独特の割れ門や、プラをかこむ壁の表面にヒンズーの神々が所狭しと彫刻されていることも多いけれど、中には一切彫刻がなく、森だけのところもある。神域内の樹木は一切伐採を許されず、その上台風が滅多に来ない島なので、プラの森はどこも深い。とりわけワリギンと土地の人々の言うガジュマルの中には、想像を絶する巨木がある。そうした森が、棚田の彼方に浮かぶさまは、まさに鎮守の森だ。田舎で出会った、米の神を祀るというプラなどは、森の中に建物が一切なく、柱の上にのった小さな祠だけで、御嶽と少しも変らなかった」(190頁) 続きを読む 南方系社会と神の森の信仰

中山優関連文献

書籍

著者 書籍写真 書名 出版社 出版年 備考
中山優 中山優選集 中山優選集刊行委員会 1972年 東と西─思想論,中国論,日本論,故師近友─人物論,往事茫茫─自叙感懐等
中山優 中国の素描 明徳出版社 1957年 師友選書 第11
大川周明他 復興アジア論叢 國際日本協會 1944年 中山優「復興アジアと支那民族」服務
中山優 支那論と隨筆 刀江書院 1940年
中山優 東亜連盟への途 大民社出版部 1940年 大民文庫 1 続きを読む 中山優関連文献