「興亜」カテゴリーアーカイブ

松本君平『アジア民族興亡史観』の目次

  

昭和18年に松本君平が刊行した『アジア民族興亡史観』(アジア青年社)の目次は以下の通り。

第一章 緖論
第二章 アジア病とは何か
第三章 アジア民族衰亡の跡に鑑よ
 一 葡萄牙人のアジ侵略(侵略の急先鋒)
 二 西班牙人のアジア侵略
 三 和蘭人のアジア侵略
 四 英人のアジア侵略
 (A) 全印度の経略
 (B) 緬甸の経略
 (C) 馬来半島及南洋諸島の経略
 五 仏人のアジア侵略
 六 露人のアジア侵略
 七 米人のアジア侵略
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川端福一『アジアの囚人 英国の印度侵略史』目次

 川端福一が昭和16年に刊行した『アジアの囚人 英国の印度侵略史』の目次は以下の通り。
 ・一 緖論
 ・二 印度航路の発見
 ・三 欧洲諸国人の印度進出
 ・四 英国制海権を握る
 ・五 東印度会社
 ・六 ブラシー戦争
 ・七 怪傑クライブの人為
 ・八 英国の印度併合
 ・九 英国のビルマ併呑
 ・一〇 印度搾取の跡
 ・一一 東印度会社の暴政
 ・一二 印度の飢饉
 ・一三 鐵道と潅漑
 ・一四 英国の残忍性
 ・一五 第一次欧洲大戦と印度

山下英次氏「東アジア共同体の建設を通じて、日本の真の意味での独立を実現していく」(『東アジア共同体白書2010』収録)

 2010年3月17日に開催された東アジア共同体に関する討論会での山下英次氏の発言が、たちばな出版から刊行された『東アジア共同体白書2010』に収められている。ここで山下氏は次のように語っている。
「アメリカとの関係というのは重要ですけれども、いつまでもいまのような日米関係を続けるべきかどうか、深く考えなければなりません。日米関係を絶対視し、それにしばられていると、いつまでたっても、日本人には、アジア地域統合の意味が分からないということになってしまいます。実際、ほとんど多くの日本人は、なぜアジア地域統合が必要なのか、まったく分かっていない。したがって、東アジア共同体評議会の文書で、目的をもう少しはっきり書く必要があるのではないでしょうか。…… 続きを読む 山下英次氏「東アジア共同体の建設を通じて、日本の真の意味での独立を実現していく」(『東アジア共同体白書2010』収録)

平野國臣『制蛮礎策』の興亜論

 平野國臣は、文久3(1863)年に著した『制蛮礎策』において、次のように興亜論を展開していた。
 「今夫れ宇内に未だ耶蘇を奉ぜざるは我と清とのみ。帝祚世革の相同じからざる有と雖も、地勢連隣風気粗を類す。髪眼異ならず。古来通信し固り道を同うするの国なれば、則ち相為に事を謀りて可なり」

水戸学の日中同盟論

 高須芳次郎は『日本精神とその展開』(大東出版社)において、会沢正志斎と興亜思想の関係について、以下のように書いている。
〈…会沢正志斎は「アジヤ人のアジヤ」を主とすべく、日支同盟論を唱えたことがある。彼は西力東漸を防ぎ、またロシヤの南下を喰ひ留めるには善隣の誼ある支那と同盟し、こゝにアジヤの勢力を固めるのが肝要だとした。この点、正志斎の主張は、全く興亜を主眼としたもので、英国の印度侵略、支那蚕食を非とし、これに対しては、好感を表してをらない。……謹しんで惟ふに、明治元年に御発布になつた五箇条の御誓文は、興亜の大目的を実現せんとする御恩召に出たものと拝察する。そのうちで「広く会議を興し万機公論に決すべし」と宜ひ「知識を世界に求め大に皇基を振起すべしにと仰せられたのは、日本の実力を充実して、興亜の偉業を完成せられんとする重要事を御垂訓なされた御言葉であると思はれる。更に御宸翰において、尊い御決意のほどを仰せ出され、
「朕茲ニ百官諸侯ト広く相誓ヒ、列聖ノ御偉業ヲ継述シ、一身ノ艱難辛苦ヲ問ズ、親ラ四方ヲ経営シ、汝億兆ヲ安撫シ、遂ニハ万里ノ波濤ヲ開拓シ、国威ヲ四方ニ宣布シ、天下ヲ富岳ノ安キニ置ンコトヲ欲ス。」
と堂々、壮大・雄偉の御精神を表明せられたのである。かうした方針のもとに、皇国日本の皇威は四方に発揚せられ、いつも「東洋永遠の平和」維持に主点を置かれた。惟ふにそれは、アジヤ人のアジヤを完成して、共存共栄を計り、日本がその指導者として、新秩序、新文化を創造することを天職とすることに帰するのである。〉

「日満支の統一」は共通の原理で!─山田光遵『東洋国家倫理の原理と大系』

 山田光遵は昭和16年に刊行した『東洋国家倫理の原理と大系』(中文館)において、「興亜論」の一節を割いて、以下のように主張した。
 〈日満支三国が精神を同じうする事の為にはこの三国を通ずる精神の把握に先立つて、この三国を通ずる教の問題を考察せねばならぬ。精神は教から浸み出るものであるからである。日満支の文化の交流はすでに数千年の古に始まる所である。就中孔子教は支那をして支那たらしめたると共に日本をして日本たらしめた中枢的精神文化である事を思ふ時、日満支を通ずる精神を論ずるに当つて、先づ儒教に注目せねばならぬ。……然しながら現代我が国教学の中枢精神は儒教倫理そのまゝのものではなく、況んや全体主義の如き国家的利己主義ではなく、儒教倫理が中枢となりながら、而もそれが世界人類の不動の平和を目標とする所の八紘一宇の倫理にまで積極化、大乗化せられたものである事は刮目して見なければならぬ点であつて、アジヤの倫理は正にかゝる意味に於ける八紘一宇の倫理なる事を確信しなければならぬ。而してこの八紘一宇の同家倫理は結局興亜の原理として、日満支の統一原理として働くべきものであるが、それは各三国を離れた、或はそれらを超越してそれらを總括すると謂つたやうな原理ではなくて、各三国の内に内在し、それらを貫く枢軸であり、而もそれらに共通の原理たるべきでありて、彼の国際公法的な、外的強制的結合原理であつてはならぬのである。……即ち支那は支那として、満洲国は満洲国として、日本は日本として生々発展しつゝ而も一となつてアジヤ精神の中に活きて行かねば合体の意昧をなさぬのである。 続きを読む 「日満支の統一」は共通の原理で!─山田光遵『東洋国家倫理の原理と大系』

吉田三郎『興亜論』目次

 昭和19年に「日本思想戦大系」シリーズとして刊行された吉田三郎『興亜論』の目次を掲げる。

 

第一章 皇国の伝統と興亜の理念/1
一、神勅奉行の聖業/1
二、興亜先覚の経綸/16
三、荒尾精と楽善堂の志士達/26
四、東亜経綸の根本義/49
第二章 米英亜細亜侵略の由来/59
一、近代西洋の成立とその東漸/59
二、イギリス人の日本渡来/71
三、東亜に於けるアングロ  サクソン勢力の瀰漫/87
第三章 大東亜建設をめぐる世界の情勢/113
一、盟邦独伊の現状/113
二、米英の思想的新攻勢/133
三、アングロサクソン民族の残虐性/147
第四章 興亜政策の現実的問題/165
一、大東亜共栄圏建設の目標/165
二、亜細亜の資源とその開発/173
三、我が対支新政策の樹立/197
四、中国新国民運動の展開/212
五、民族的伝統の尊重/224
六、満洲国及び朝鮮の問題/242
第五章 皇国の使命と現代教育の反省/257
一、指導者たる者の心構へ/257
二、「家」の教育/271
三、青年指導の問題/287
四、現代青年の覚悟/305

自治指導部佈告第壱号

昭和6年11月1日、満洲では、笠木良明らの大理想に基づいて自治指導部が発足した。しかし、満州国建国後、自治指導部は資政局となり、翌昭和7年7月には解散に追い込まれた。笠木の理想は完遂されることなく頓挫したのだった。
 笠木の理想は、自ら起草した「自治指導部佈告第壱号」に明確に示されていた。

 〈自治指導部ノ真精神ハ天日ノ下ニ過去一切ノ苛政、誤解、迷想、紛糾等ヲ掃蕩シ竭シテ極楽土ノ建立ヲ志スニ在リ。茲ニ盗吏アルヘカラス、民心ノ離叛又ハ反感不信等固ヨリ在ラシムヘカラス。住民ノ何国人タルヲ問ハス胸奥ノ大慈悲心ヲ煥発セシメテ信義ヲ重ンシ共敬相愛以テ此ノ画時代的天業ヲ完成スヘク至誠事ニ当ルノ襟懐ト覚悟アルヘシ。
謂フ所ノ亜細亜不安ハ軈テ東亜ノ光トナリ、全世界ヲ光被シ全人類間ニ真誠ノ大調和ヲ齎ラスヘキ瑞兆ナリ。此処大乗相応ノ地ニ史上未タ見サル理想境ヲ創建スヘク全努力ヲ傾クルハ、即チ興亜ノ大濤トナリテ人種的偏見ヲ是正シ、中外ニ悖ラサル世界正義ノ確立ヲ目指ス。
既ニ三千万人民ノ吸血鬼ハ倒ル、更ニ進一歩シテ盗匪ノ影ヲ没セシメ暴政ノ残党者ヲ排除シ悪税ヲ廃止シ贈収賄ノ悪習ヲ打破シ産業交通ノ暢達ヲ画シ教育宗教ヲ振興スル等、一々公明正大裡ニ運営セサルヘカラス。
指導部ハ前途幾重ノ難関ヲ前ニ大理想ノ実行者トシテ無我ノ一道ヲ邁進ス。大眼目ハ善政ノ実施ニ在リト雖モ憔燥ハ避ヘシ。古来ノ制度及地方的事情等ヲ能ク究メ、風俗人情ヲ尊重シ、革ムヘキハ革メ存スヘキハ存ス、仁風匝地民心ノ帰投火ヲ賭ルヨリモ明カナリ。本部ヨリ漸時各県ニ指導員ヲ派シ善政ヲ行フ、県民ハ安ンシテ其ノ指導ヲ受クヘシ。茲ニ布告ス。〉