山鹿素行『中朝事実』2011年12月12日②

素行はわが国こそが「中国」である理由を二つ挙げた。
第一点は、地勢上、日本が天下の中央に位していること、第二点は、日本の道が中庸を得ていることである。第一の理由について素行は次のように説明する。
「神典には最初の神としてアメノミナカヌシノミコト(天御中主尊)とクニノトコタチノミコト(国常立尊)とが出現される。前者は天の中心、後者は国土の基礎の意で、これらの尊号から既に永久の中心といふ思想があり、更に日本の最も遠い先祖として存在ましました理由を知れば、中国としての実質は、悠々の太古から、最も正しい意味で自然存在したと考えるのが至当である」
続けて素行は、日本の道が中庸を得ているとの主張を次のように説いた。

「万世一系の天皇を戴き、聖人、英才が続出して、国民を幸福にし、天下を太平にする為に最も適当な方法で、礼を規定したのは日本だけに見られる現象である。これが天地、人物、ありとあらゆる一切のものゝ中で、新鮮に脈を打ち続けてゐる誠の道だ。皇統が天地と共に無窮であり、神代ながらの礼儀が守られて、上古の我国は実に理想的に支配されたのである」(『中朝事実講話』388、389頁)

Please follow and like us:

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください