先哲の忠義に支えられた國體

 平泉澄先生は、昭和11年に『国史講話』において次のように書いている。
 「……歴史ヲ考ヘマス上ニ、決シテ楽観的ニ呑気ニ之ヲ見ルコトハ許サレナイノデアリマス。ヨク「国体之精華。」ト云フコトヲ誇ルノデアリマスガ、其国体之精華ハ先哲ノ血ヲ以テ守り来ツタ所デアリマシテ、決シテ無為ニシテ得タ所デハナイノデアリマス。……我ガ国体ガ斯ノ如ク尊厳デアリマスコトハ、無論、天祖〔アマテラス〕ヲ始メ奉リマシテ、御歴代ノ聖徳ニ帰著スルノデアリマスガ、同時ニ又先哲ガー身ヲ擲ツテ俗学俗論ト闘ヒ、一人ノカデ万牛ヲ挽イテ来ラレタ為ニ、斯ノ如ク尊厳ニ伝ハツテ居ルノデアリマス」
 さらに、平泉先生は翌昭和12年に『日本精神の復活』で、次のように述べている。
 「我々は日本人である、大和魂は生れなからにして持つて居る、天下の人斯くの如く傲然として豪語するのである。焉んぞ知らん、大和魂のためにはこれ等の卓抜なる先哲〔谷川士清ら〕一生を投じて苦心惨澹されたのであります。心を労することなくして、身を修むることなくして、生れながらにして日本人であり、大和魂は我々自身に持つて居るのである。斯う暢気にいふことは、これは反省しなければならない」

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