「シャブ&ASKA」事件と労働者派遣法改正─パソナの利益のために働く政治家たち

 いま、パソナなどの人材派遣会社は、さらなる市場拡大をもたらす労働者派遣法の改正を待ち望んでいる。
 業界の利益拡大のために労働者を犠牲にするような法改正が罷り通っているのは何故なのか。「シャブ&ASKA」事件によって、それがいくらかわかってきた。
 労働者派遣事業を所管する厚生労働大臣の田村憲久氏は、大臣就任後もパソナの接待施設「仁風林」に出入りしているという。改正案に反対することを期待されている民主党も、前原誠司元代表がズブズブの関係。前原氏から頼まれて南部靖之代表は十数人の「民主党落選議員」を社員として雇い、大金を渡しているとも報じられた。これではまともな法改正ができるはずがない。
 以下、『月刊日本』平成26年6月号に掲載された、法政大学大原社会問題研究所名誉研究員の五十嵐仁氏のインタビュー記事「労働者を食い物にする経営者・政治家・御用学者」を転載する。

五十嵐 仁「労働者を食い物にする経営者・政治家・御用学者」

労働側を排除して労働政策を決めるしくみ
── 安倍政権では、再び労働分野の規制緩和が加速しています。
五十嵐 規制緩和は多様な働き方ができるようにすることであり、労働者にとってもメリットがあると説明されています。しかし、仮にそうであるなら、なぜ労働者の側から規制を緩和してほしいという要望が出てこないのでしょうか。 Continue reading “「シャブ&ASKA」事件と労働者派遣法改正─パソナの利益のために働く政治家たち” »

反新自由主義者コレア大統領の戦い

  故チャベス大統領の盟友で、新自由主義に抵抗するエクアドルのコレア大統領を、グローバル企業とアメリカは敵視してきた。こうした中で、2014年1月、コレア大統領はアメリカ大使館内の国防総省職員ら約50人について、「(国内政治を不安定化させるために)各方面に浸透しているようだ」と警告、4月7日にはアメリカ大使館に書簡を送り、米国防総省職員ら20人を国外退去させると通告した。
 コレア政権は、2012年夏には、ウィキリークス創設者のアサーンジ容疑者の亡命を許可している。また、米当局から訴追されているCIA元職員のエドワード・スノーデン容疑者の亡命受け入れにも前向きな姿勢を見せていた。

竹中平蔵氏が会長を務めるパソナ株が急落─ドラッグの規制緩和は……


 いま、竹中平蔵氏は、産業競争力会議や国家戦略特区諮問会議で規制改革を推進し、國體を破壊しようとしている。2014年5月22日、週刊誌各紙がその竹中氏が会長を務めるパソナグループのことを報じた
「“シャブ愛人”栩内香澄美容疑者はパソナ人材派遣代表の接待秘書」「“舞妓愛人”も派遣……パソナ南部代表と芸能界汚染マップ」(『週刊文春』)

「覚醒剤漬けで快楽の虜! 人材派遣パソナ「南部代表」の超美人“秘書” 」「ドラッグ・カップルが出会った「パソナ迎賓館」の大宴会に「政治家&芸能人」」(『週刊新潮』)

 同日の東京株式市場で、パソナグループは一時年初来安値となる460円をつけた。

マレーシア国産車メーカー・プロトン

2014年5月16日、マハティール元首相はプロトン・ホールディングスの会長に就任した。
プロトンの歩み振り返っておきたい。

自動車国産化の夢
国産自動車を作ることは、一流の工業国を目指す国家指導者の夢でもある。だが、それはそれほど簡単なことではない。スハルト時代にこの夢を追い求めたインドネシアも挫折した。
かつてスズやゴムなどの一次産品の輸出に依存していたマレーシアは、1970年代から本格的な工業化を推進、マハティール首相の強力なリーダーシップによって、ついに自動車国産化の夢を果たしたのである。  Continue reading “マレーシア国産車メーカー・プロトン” »

『月刊日本』編集部 「わが国の医療制度を破壊する混合診療解禁」

 以下、『月刊日本』平成26年6月号に掲載された「わが国の医療制度を破壊する混合診療解禁」を転載する。明治天皇が明治44年2月11日に下された「施療済生ノ勅語」に言及し、國體の観点からわが国医療制度の破壊に警鐘を鳴らした。

金持ちにしか受けられない医療が増えていく
住友商事相談役の岡素之氏が議長を務める規制改革会議が、保険診療と保険外診療(自費診療)の併用を認める混合診療を拡大しようと躍起になっている。安倍政権は、それを6月策定予定の「成長戦略」の目玉にしようとしている。
今回新たに提案されたのが、患者に選択権を与え、患者と医師が「合意」すれば個別に混合診療の適用を認める「選択療養制度(仮称)」だ。混合診療が広がれば、製薬会社は厳しい臨床試験が必要な保険診療の適用を避け、高額で売れる自由診療に向かうに違いない。その結果、金持ちにしか受けられない医療が増えていく。一度混合診療に組み込まれた最新の治療や薬は、保険診療の対象にならなくなるだろう。
新自由主義者たちの狙いは、本来公的医療保険で扱うべき医療の範囲を縮小し、その分を自由診療に移し変えることにあると指摘されている。また、混合診療を全面解禁してしまうと、有効性や安全性の確認できていない技術が広がる恐れがある。『愛媛新聞』(4月19日付)も次のように報じている。 Continue reading “『月刊日本』編集部 「わが国の医療制度を破壊する混合診療解禁」” »

消えたマレーシア航空機の真相─CIAによる遠隔操作?

 マハティール元首相は、2014年5月18日のブログ(http://chedet.cc)で次のように書いた。

BOEING TECHNOLOGY – WHAT GOES UP MUST COME DOWN
May18th 2014
1. What goes up must come down. Airplanes can go up and stay up for long periods of time. But even they must come down eventually. They can land safely or they may crash. But airplanes don’t just disappear. Certainly not these days with all the powerful communication systems, radio and satellite tracking and filmless cameras which operate almost indefinitely and possess huge storage capacities.

2. I wrote about the disabling of MH370’s communication system as well as the signals for GPS. The system must have been disabled or else the ground station could have called the plane. The GPS too must have been disabled or else the flight of MH370 would have been tracked by satellites which normally provide data on all commercial flights, inclusive of data on location, kind of aircraft, flight number, departure airport and destination. But the data seems unavailable. The plane just disappeared seemingly from all screens.

3. MH370 is a Boeing 777 aircraft. It was built and equipped by Boeing. All the communications and GPS equipment must have been installed by Boeing. If they failed or have been disabled Boeing must know how it can be done. Surely Boeing would ensure that they cannot be easily disabled as they are vital to the safety and operation of the plane.
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『顔のない独裁者』が描く近未来─新自由主義の結末は地獄だ(『月刊日本』平成26年5月号)

以下、『月刊日本』平成26年5月号に掲載した「『顔のない独裁者』が描く近未来─新自由主義の結末は地獄だ」を転載する。

国民の統合を破壊する道州制
 3月28日、政府は国家戦略特区諮問会議を開き、国家戦略特区の第一弾として、東京都を中心とした東京圏、大阪府を中心とした関西圏、沖縄県、新潟市、兵庫県養父市、福岡市の6区域を指定した。東京圏は国際ビジネス、イノベーションの拠点、関西圏は医療などのイノベーション、チャレンジ人材支援の拠点とするという。
 この特区も、アメリカが推進するTPPも、グローバル企業の利益拡大こそが最優先されている。しかし、グローバル企業が理想とする社会は国民にとってはまさに地獄そのものである。新自由主義による「改革」を推し進めた後に到来する社会はどのようなものなのか、それを具体的に示してくれるのが、三橋貴明氏の企画・監修で、さかき漣氏が著した『顔のない独裁者 「自由革命」「新自由主義」との戦い』(PHP研究所)が描く社会である。同書はフィクションだが、極めて具体的かつリアルにわが国の近未来が描き出されている。
 物語は、「顔のある独裁者」が支配する大エイジア連邦の一員となった日本が、抵抗組織「ライジングサン」のリーダー駒ヶ根覚人のもとに革命に成功し、日本を奪還したところからスタートする。駒ヶ根は圧倒的な国民支持を受けて総理に就任する。まず、駒ケ根政権は太平洋連合(Pacific Union=PU)への参加を決める。PUはTPPのような協定と考えていい。そして同政権は道州制を導入。日本は北海道、奥羽州、東京州、越陸州、東海州、中央日本州、瀬戸州、伊予州、筑紫琉球州の9道州に分けられ、それぞれが独立採算制を義務づけられた。道州制導入によって、各種公共サービスの権限は、中央政府から各道州政府に移管された。
 だが、この道州制導入が悲劇をもたらすことになる。それを象徴するのが本書にある「道州制が社会に浸透し、いつの間にか日本国民は他道州の住民について、同じ日本国民であることを忘れるようになっていた」という記述だ。
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武藤貴也「わが国は核武装するしかない」(『月刊日本』平成26年5月号)

 『月刊日本』平成26年5月号に掲載された武藤貴也「わが国は核武装するしかない」を転載します。

憲法解釈の変更ではなく、「解釈の是正」だ!
── 集団的自衛権の行使についてどう考えていますか。
武藤 私は、集団的自衛権は国家の当然の権利だと思っています。それは世界の国際法学界の常識です。国連憲章第51条には「固有の権利(inherent right)」と書いてあり、フランス語や中国語では「自然権」と表現されています。
 自然権とは、憲法や法律では制限できない、国家が生まれながらにして持つ生来の権利です。それを今まで憲法が禁じてきたこと事態が異常だったのです。つまり、「憲法解釈の変更」ではなく、「解釈の是正」なのです。
 集団的自衛権を「行使しない」のと「行使できない」のとは、本来別の話です。行使できるにもかかわらず、政策判断として、行使しないというのならまだわかるのですが、これまでの内閣法制局の態度は、「しない」を「できない」とすり替えて答弁してきました。
── ただ、自民党の中にも慎重論があります。 Continue reading “武藤貴也「わが国は核武装するしかない」(『月刊日本』平成26年5月号)” »

IC専用改札機増加問題①(まずはJRから)

 鉄道の利用頻度の低い人は、当然切符で改札を通ろうとする。しかし、IC専用改札機が増えすぎて、どこを通っていいかわからない。

なぜ、これほどIC専用改札機が増えたのか。FeliCaを製造しているソニーや自動改札機を製造しているオムロン、東芝、日本信号などメーカーの利権なのか。椎橋章夫氏が代表取締役社長を務めるJR東日本メカトロニクスの名前も挙がるが。
駅員に聞いても「利用者が増えているから」「効率のため」とか言うだけで、ちゃんとした回答は返ってこない。そこで、まずJR東日本代表取締役社長の冨田哲郎氏に問う。
IC専用改札機をなぜここまで増やすのか。

ネットでは、以下のような疑問がわき起こっている。
・IC専用改札機については、視覚障害者協会から改善を求める要望があがっている
(視覚障害者の方は改札機に表示される残高が見えないなどの理由により、IC乗車券を使わず切符を使う人が多い)
・鉄道会社のIC誘導に見えて仕方がない
・混雑時は目の前まで行かないとIC専用だとわからない
・ICカード利用時でも前の磁気きっぷを持った人が右往左往

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1122073646

興亜論と会沢正志斎『新論』─イサム・R・ハムザ氏の解釈

 
 会沢正志斎の『新論』は、文明史的視点を伴なった興亜論(アジア主義思想)の先駆的著作としても位置づけることができる。現在カイロ大学教授を務めるイサム・R・ハムザ(Isam R.Hamza)氏は、「日本における『アジア主義』」(『史学』2006年6月)において次のように書いている。
 〈西欧列強の圧力が徐々に強まってゆくにつれ、日本の対外的危機感は次第に広まり、様々な海防論や攘夷論が著わされた。その中でも、一九世紀前半の鎖国下日本でアジアを含む世界認識の有様をうかがわせる著作は、水戸学派の会沢正志斎(一七八二~一八六三年)の名著『新論』をおいて他にはないであろう。……西欧列強の圧力への反発として当然自国の優越性の認識にむかう動きが生じてきた。会沢もそれを背景にし、世界における日本の位置付けとアジアについて、『新論』でこのように述べている。
 「夫れ神州は大地の首に位す、朝気なり、正気なり
 〈神州は本、日神の開きたまひしところにして、漢人、東方を称して日域となし、西夷もまた神州及び清・天竺・韃靼の諸国を称して、亜細亜と曰ひ、また朝国と曰ふ。皆、自然の形体に因りてこれを称するなり〉。朝気・正気はこれ陽となす、 Continue reading “興亜論と会沢正志斎『新論』─イサム・R・ハムザ氏の解釈” »