ジャパンハンドラーからもダメ出し─アメリカとの摩擦を覚悟せよ!

 2014年2月27日、アーミテージ元国務副長官は、ワシントン市内で講演し、「靖国神社の問題は、日本の指導者が国全体にとって何が最善か判断することだ。しかし、中国の外交を後押しすることになったことは無視できない。これが私の参拝への反対理由だ」と語った。親米派が頼りにするジャパンハンドラーからもダメ出しが出されたことになる。いまこそ、わが国は主体的、自立的外交を展開するために、アメリカとの摩擦を覚悟するときがきた。

自主防衛論の展開

中曽根康弘「日本の主張」

「情けない被保護国の状態」からの脱却

中曽根康弘氏は、1954年に『日本の主張』(経済往来社)において、次のように書いている。
「700に及ぶ米国の軍事基地の制圧により、国の防衛と治安が保たれているという情けない被保護国の状態を、速に脱却しなければならないという現状打破の精神が全国的に漲って来た」、「安全保障条約によって、自衛の能力なき日本は米軍の駐屯を要請し、外国人の税金と外国青年の血によって自国の防衛を外国に委託した。この瞬間からすでに日本は独立国としての対等な発言権を喪失した」 Continue reading “自主防衛論の展開” »

武藤貴也議員の核武装論


『ウォール・ストリート・ジャーナル日本版』(2014年2月27日)は、「日本で広がるナショナリスト的風潮―中韓との対立で」と題して、次のように報じた。
〈新人議員の1人、武藤貴也衆議院議員(34)は大学教授になる道を断念した後、政治の世界に入った。「最もタカ派の議員の1人」を自称する同氏は、日本は米国に頼らなくても中韓に対して自ら防衛できる十分な能力を持つべきだと考えている。
武藤氏は「アメリカがスーパーパワーだった時代は終わり、日本を守れなくなる時代がくる」とし、「防衛は自前でやらなくてはならない」と述べた。
そのために日本はどうすべきか尋ねたところ、最もナショナリスト的な議員の間でさえ依然異例とされる答えが返ってきた。それは「核武装」だった〉

米議会調査局報告の衝撃─「安倍首相の歴史観はアメリカの認識と対立」

 戦後レジーム脱却を目指す安倍政権にとって、アメリカとの摩擦は避けられなくなってきた。
 米議会図書館の議会調査局は、2014年2月20日付の報告書で、安倍首相による2013年末の靖国参拝について、「米国の助言を無視して突然、参拝したことで、日米間の信頼関係を一定程度損ねた可能性がある」などと指摘した。また、安倍首相の歴史観について「第2次大戦とその後の日本占領について、米国の認識と対立する恐れがある」と批判した。

「わが国の自立」の視点がないマスコミ─プルトニウム返還報道に思う

 日米関係も核不拡散も、わが国にとって重要なテーマであることは間違いない。
 しかし、日本が対米従属から脱却して自立した国家になることは、さらに重要なテーマなのではないか。アメリカからのプルトニウム返還要求も、その視点で考えたい。
 ところが、マスコミの報道に「わが国の自立」の視点は皆無と言わざるを得ない。
 昨日(平成26年2月25日)の報道を受けて、日経が本日報じた内容を読んで、その感を強くした。
 〈政府は冷戦時代に米国から研究用として提供を受けていたプルトニウムを返還する方向で調整に入った。対象は日本が保有するプルトニウム約44トンのうちの約300キログラム。高濃度で核兵器にも転用可能な核物質だ。
 米国や旧ソ連が各国に研究用燃料として提供したプルトニウムや高濃縮ウランなどについて、米国は2001年の同時テロ以降、テロリストに渡ることを防ぐために各国に返還を求めている。
 政府は3月24~25日にオランダ・ハーグで開く核安全保障サミットで発表する方針。核不拡散への積極的な姿勢を示すとともに、日米関係の強化にもつなげたい考えだ〉

TPPは空中分解。日米並行協議が要注意

 平成26年2月25日、シンガポールで行われたTPP閣僚会合は、目標としていた大筋合意には達せず、閉幕した。次の会合のめども立っていない。アメリカ通商代表部のフロマン代表は「事務的作業を続けるが、今後の計画はない」と述べざるを得なかった。
 しかし、楽観はできない、日米並行協議で不平等条約を押し付けられる危険性があるからだ。
 菊池英博氏は『月刊日本』平成26年3月号で次のように語っている。
 「かといって日本の状況は安心できるものではないのです。TPPと並行して日米で二国間協議が進められているからです。TPPとは別に日米FTAのようなものがまとまれば、それは米韓FTAの二の舞を演じることになってしまうのです。悪夢のシナリオは、日米が関税については事実上棚上げして、不平等条約を結ばされることです。
 米韓FTAには、投資家が期待した利益を上げられなかった場合に政府を相手に訴えることができるというISD条項(投資家対国家紛争解決条項)や、一旦規制を緩和したら、その後何が起こっても法律を変えられないラチェット条項だけではなく、著しく不平等な条項が含まれているのです。スナップバック条項もその一つです。スナップバックとは「手の平を返す」という意味で、韓国は米韓FTAの条項を変更できないにもかかわらず、アメリカだけが一方的に条項や関税を変えられるという内容です。こうした不平等条約を押し付けられる危険性があるのです。
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自主核武装の選択肢放棄か?

 安倍政権は自主核武装の選択肢放棄に向かうのか。『北海道新聞』の報道(平成26年2月26日)によると、日本政府は、アメリカからの要求を受け入れ、プルトニウムを返還する方向で最終調整に入った。
 一方で、平成26年2月23日のノート「アメリカは自主核武装阻止へ動くか─エネルギー基本計画で現行施策維持」で書いた通り、エネルギー基本計画では、プルトニウムの増殖と放射性廃棄物の減容化を目指す現行の施策を維持する案をまとめている。

安部政権の対中外交にダメ出しも?─『ブルームバーグ』報道の意味

 オバマ大統領が平成26年4月下旬にアジア歴訪の一環としてわが国を訪れるが、わが国の対中強硬姿勢がやり玉にあがる可能性が出ている。
 『ブルームバーグ』(平成26年2月17日)が「日本のナショナリスト的愚行、米国は強い語調で叱責を」と題した社説を掲載し、次のように主張しているからだ。
 「米国は反論すべきだ。それも通常より強い言葉で切り返すべきだ。4月のオバマ大領のアジア訪問は、中国政府の外交的冒険主義を容認しないことをあらためて表明する良い機会であると同時に、安倍首相の挑発がアジアの安定を脅かし、日米同盟に害を及ぼしていることをはっきりと伝えるチャンスだ」

天皇の大御宝を道具化する派遣法改正─田村憲久大臣と清水竜一氏・家中隆氏

 
 田村憲久厚生労働大臣は天皇の大御宝であるわが国の労働者について、どのように考えているのだろうか。
 平成26年2月21日に厚生労働省が労働政策審議会に提示した派遣法改正の法律案要綱は、大御宝を道具化しようとするものである。1月29日に労働政策審議会が厚生労働大臣に対して行った、労働者派遣制度の改正について建議には「派遣労働の利用を臨時的・一時的なものに限ることを原則とする」との文言が盛り込まれていた。しかし、法律案要綱は派遣は「臨時的・一時的」との原則が骨抜きにされている。
 派遣業界の意向に添って動いているのか。田村大臣は派遣業界の政治団体「政治連盟新労働研究会」(会長=清水竜一日総工産社長)から、最大の献金を受けていた。『赤旗』(1月11日付)の報道によると、自民党の小選挙区支部などを通じて、寄付50万円とパーティー券購入14万円を受けていた。
 これに次ぐのが、自民党の後藤田正純衆院議員の46万円、民主党の近藤洋介衆議院議員の36万円、自民党の川崎二郎衆議院議員、民主党の川端達夫衆議院議員、みんなの党の柿沢未途衆院議員の各30万円。これでは、民主党も派遣法改悪に同調するしかない。

第3回 国家戦略特別区域諮問会議(平成26年2月21日)─社稷を思う心なし

わが国の社稷を無視して国際財閥の利益を拡大するための「カイカク」を、いまこそ粉砕する必要がある。平成26年2月21日に開かれた「第3回 国家戦略特別区域諮問会議」で竹中平蔵氏らが提出した「国家戦略特区 当面の対応について」には、外国人労働者受け入れなど、国家解体のための「カイカク」が謳われている。
〈1.区域指定に向けての考え方
3月の特区指定にあたっては、ダボスでの総理のスピーチ内容(2年間で岩盤規制すべてに突破口)の実現に向けた推進力を内外に示す観点からも、スピーディに、かつ、日本の景色を変える効果を実現することが重要。
このため、
1)「広域都市圏」は、国の側の特区関係者も全面的にコミットできるよう、区域数は絞って指定。
2)これに加えて、突出して革新的な取組(岩盤規制改革を含め)を行う小規模な地域を実験場として一括指定する、いわゆる「バーチャル型」指定(革新的改革事業拠点の指定)を行うべき。
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