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書評 森功著『日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈』

 森功著『日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈』(文藝春秋、2015年11月11日刊)、税込み価格1620円。

 政治権力によって新たな市場を作り出し、そこで利益を貪る者たちを「レント・シーカー」という。レント・シーカーのやり口とはいかなるものなのか。人材派遣会社パソナグループ代表の南部靖之氏という「政商」に肉薄した本書を一読すれば、その姿は自ずと浮かび上がってくる。
 パソナグループ会長を務めているのが、いま産業競争力会議などで規制改革を推し進める竹中平蔵氏である。すでに竹中氏については、ジャーナリストの佐々木実氏が、『市場と権力』でその実像に迫っている。
 いったい、竹中氏と南部氏はどのようにして結びついていったのだろうか。二人の接点にあった人物として本書が挙げるのが、大蔵官僚の長富祐一郎だ。1982年、竹中氏は大蔵省大臣官房調査企画課に置かれていた財政金融研究室主任研究官となり、同課長の長富に見出された。一方、南部氏は、政官界に広範な人脈を持つ長富が91年に退官すると、パソナの顧問に迎え入れた。 Continue reading “書評 森功著『日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈』” »

グローバル企業と舛添要一・細川護熙両都知事候補

 グローバル企業にとって、次の都知事が誰になるかは重大な問題である。五輪特需も絡み、国家戦略特区による規制改革の加速化による利益拡大を狙っているからだ。
 彼らにとって最も安全な方法は、どっちに転んでもいいように保険をかけておくこと。都知事有力候補に二股をかけるという戦略だ。舛添要一氏だけではなく、細川護熙氏にも賭けるということだ。つまり、原発問題は重大な争点に違いないが、もっと重大な問題は新自由主義の問題ではないか、
 細川陣営の田中秀征氏が語るところでは、小泉純一郎元首相と細川氏は脱原発を急務とする点で一致したとされる。フィンランドのオンカロ(核廃棄物最終処分場)を見てきた小泉氏に、田中氏が声を掛け、去年10月21日に細川・小泉・田中の3人で会った。脱原発に対する2人の「本気」を感じた、と。
 しかし、小泉氏の狙いは東京での新自由主義路線の推進にあるはずだ。そして、田中氏も?彼は1996年10月の総選挙で落選してからも、「官権」から「民権」への転換を訴え、みんなの党を支持してきたとされる。細川・小泉の掲げる脱原発というスローガンが、エネルギー分野の規制改革、電力自由化路線の推進に利用される危険性がある。