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志士ベニグノ・ラモスの悲劇─日比連帯へのアメリカの憎悪

「日本人としてもっとも銘記すべき悲劇の英雄であり、日本人が花束をささげて、永遠にその友情を忘れてはならない人物だと信ずる」
一九七一年に葦津珍彦先生は、フィリピンの志士ベニグノ・ラモスについてこのように書いた(『新勢力』)。
ラモスの人生を大きく変える事件は、一九三〇年に起こった。マニラ・ノース・ハイスクールに勤めていた、あるアメリカ人女性教師が、フィリピン人は「バナナ食いの猿のようなものだ」と侮蔑的発言をしたことが発端だ。この発言をきっかけに、市内のいくつかの高校の生徒が一斉に同盟休校し、世論が沸き立った(『アキノ家三代 下巻』)。
当時、フィリピンはアメリカの植民地だった。ラモスは、沈静化を図ろうとするマニュエル・ケソン上院議員に楯突き、官界を自ら去り、対米独立闘争の先頭に立つことを決意した。彼はフィリピン人エリート層がアメリカの権力に阿り、フィリピン民衆の利益を擁護できていないと主張、対米要求に弱腰のケソン指導部を攻撃し、即時、絶対、完全独立を要求した。また、農民の貧困問題の解決を訴えた。 Continue reading “志士ベニグノ・ラモスの悲劇─日比連帯へのアメリカの憎悪” »