「格差」カテゴリーアーカイブ

「安倍総理よ、竹中平蔵を解任し、新自由主義と決別せよ!」(『月刊日本』2016年5月号)

 『月刊日本』2016年5月号(4月22日発売)で、「安倍総理よ、竹中平蔵を解任し、新自由主義と決別せよ!」と題して、竹中平蔵批判の特集を組んだ。以下の4つのインタビュー記事で構成。
 菊池英博「竹中平蔵に日本を破壊させるな!」
 森功「パソナのための安倍政権の規制緩和」
 藤澤昌一「竹中はアメリカの代理人なのか?」
 横山孝平「私は竹中糾弾を続ける!」

書評 森功著『日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈』

 森功著『日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈』(文藝春秋、2015年11月11日刊)、税込み価格1620円。

 政治権力によって新たな市場を作り出し、そこで利益を貪る者たちを「レント・シーカー」という。レント・シーカーのやり口とはいかなるものなのか。人材派遣会社パソナグループ代表の南部靖之氏という「政商」に肉薄した本書を一読すれば、その姿は自ずと浮かび上がってくる。
 パソナグループ会長を務めているのが、いま産業競争力会議などで規制改革を推し進める竹中平蔵氏である。すでに竹中氏については、ジャーナリストの佐々木実氏が、『市場と権力』でその実像に迫っている。
 いったい、竹中氏と南部氏はどのようにして結びついていったのだろうか。二人の接点にあった人物として本書が挙げるのが、大蔵官僚の長富祐一郎だ。1982年、竹中氏は大蔵省大臣官房調査企画課に置かれていた財政金融研究室主任研究官となり、同課長の長富に見出された。一方、南部氏は、政官界に広範な人脈を持つ長富が91年に退官すると、パソナの顧問に迎え入れた。 Continue reading “書評 森功著『日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈』” »

TPPは死んだ!

 「TPPは死んだ!」と言う理由は何か。
 8月中の大筋合意がギリギリのタイミングだったからだ。
 アメリカでは、大統領がTPP協定に調印するには議会に通告してから90日経る必要がある。仮に9月上旬に大筋合意して、すぐに議会に通告できたとしても、調印は12月上旬以降となる。
 来年は大統領選挙で、2月1日には予備選が始まる。こうした状況下で、米議会が協定の法案を審議し、批准にこぎつけることは到底不可能だ。
 TPPに反対する労働組合を支持基盤とする民主党議員は、容易にTPP法案へ賛成票を投じることができない。しかも、ISD条項に象徴されるように、TPPがグローバル企業の利益拡大の道具に過ぎないという認識が、アメリカ国内では急速に浸透しつつある。 Continue reading “TPPは死んだ!” »

「パソナ、竹中平蔵への抗議街宣 訴訟に発展」

 これまで竹中平蔵氏は産業競争力会議で労働移動支援助成金の増加を唱えるなど、自らが会長を務める人材派遣会社パソナの利益拡大になる発言をしてきた。
 ところが、この利益誘導疑惑について、大手新聞やテレビは一切報道しなかった。こうした中で、「國の子評論社」を主宰する横山孝平氏はパソナ本社前などで抗議の街宣活動を行った。ところが、パソナ側は「街宣活動禁止仮処分命令」を東京地裁に申し立て、7月10月第一回口頭弁論が行われた。今後法廷では、竹中平蔵氏に対する批判が誹謗中傷や名誉棄損に当たるのかが争われる。この問題について、『月刊日本』8月号に「パソナ、竹中平蔵への抗議街宣 訴訟に発展」を掲載した。

日本解体のシナリオ─ロバート・フェルドマン提案

 グローバル企業の日本支配を貫徹させるための第一歩が国家戦略特区だ。国家戦略特区ワーキンググループが2013年7月に行った有識者からの「集中ヒアリング」で、モルガン・スタンレーMUFG証券チーフエコノミストのロバート・フェルドマン氏は以下のような膨大な提案をしている。まさに、日本解体のシナリオである。

 ○借地借家法の定期借家権法への乗り換え
 ○羽田・成田間、成田・仙台間の高速鉄道化
 ○国内未承認の医療技術・医療機器の持ち込み・使用許可解禁
 ○チーム医療実施のための外国人看護士等の受入れ推進(就労資格の弾力化)
 ○高齢者の自己負担率の引上げ(2割以上、年齢に応じた負担率の導入等)
 ○健康を基準とした自己負担率の導入(基本負担を6割とし、メタボ基準以下は3割、喫煙者は7割とする Continue reading “日本解体のシナリオ─ロバート・フェルドマン提案” »

パソナ前で派遣法改悪に対する抗議行動

 田中龍作氏がブログで報じているように、2014年10月8日、竹中平蔵が会長を務めるパソナ前で「派遣法改悪に対する抗議行動が行われた。
 注目すべきは、時代劇『桃太郎侍』をパロディー化して、竹中会長に当てつける口上が飛び出したこと。
 「一つ、一人2役エチゴ屋とお代官で やりたい放題」
 「二つ、腹心の手下を使って審議会・委員会を攪乱」
 「三つ、身勝手な税金逃れで海外に巨万の資産蓄財」
 「四つ、欲にまみれた大臣・官僚をパソナ御殿で接待」
 「五つ、いつでも、いつまでもハケンで格差拡大」

塩崎恭久氏の厚労相就任で再び迫る派遣法改悪の危機

 2014年9月3日の内閣改造で、パソナの接待施設「仁風林」に出入りしていたとして厳しく批判された田村憲久氏に代わって、「売国的市場原理主義者」とも呼ばれる塩崎恭久氏が厚生労働大臣に就任したが、23日付の『東京新聞』は、政府は臨時国会に、労働者派遣法改正案を再提出する方針を決めたと報じている。再び、派遣法改悪の危機が迫って来た。
『月刊日本』6月号に掲載した大原社会問題研究所名誉研究員の五十嵐仁氏のインタビュー記事「労働者を食い物にする経営者・政治家・御用学者」の一部を引用する。
〈五十嵐 これまで派遣労働には、常用雇用の代替にしてはならない、また臨時的・一時的な業務に限定するという大原則がありました。今回の改正案はこの原則を変える大転換であり、一生派遣労働に従事する「生涯ハケン」に道を開くことになってしまいます。 Continue reading “塩崎恭久氏の厚労相就任で再び迫る派遣法改悪の危機” »

「安倍政権はグローバル企業の奴隷か」

以下『月刊日本』平成26年9月号に載せた「安倍政権はグローバル企業の奴隷か」を転載する。

 
〈安倍政権の成長戦略に盛り込まれた法人税減税、「残業代ゼロ」制度、農業改革、混合診療拡大、水道などの公共サービスの民営化加速──などは、いずれもグローバル企業の利益拡大に結び付くものばかりだ。
 雇用、健康、安全など生命に深く関わる分野で国民を保護してきた法律を破壊して、新たな市場を形成し、グローバル企業の利益を拡大しようとしている。
 こうした新自由主義政策の旗を振っているのが、産業競争力会議、国家戦略特区諮問会議、規制改革会議などだ。こうした会議には、グローバル企業の代弁者やそれに連なる財界人たちが多数送り込まれている。
 産業競争力会議には、秋山咲恵(サキコーポレーション)、岡素之(住友商事)、榊原定征(東レ)、坂根正弘(コマツ)、竹中平蔵(パソナグループ)、新浪剛史(ローソン)、長谷川閑史(武田薬品工業)、三木谷浩史(楽天)が民間議員として名を連ねている。 Continue reading “「安倍政権はグローバル企業の奴隷か」” »

NPO法人 万年野党の正体─新自由主義者の圧力団体

 NPO法人 万年野党とはいったい何なのか。竹中平蔵、宮内義彦、髙橋洋一、八田達夫、八代尚宏といった名だたる新自由主義者が名を連ねている。モルガン・スタンレーMUFG証券㈱・チーフエコノミストのロバート・フェルドマンも入っている。
 活動内容として、「政策の監視と対案の提示」が挙げられているが、新自由主義に反する政策を監視し、さらなる新自由主義的対案を提示するということなのか。また、国会議員の評価をするというが、これまた新自由主義に忠実かどうかを尺度にして評価するということなのか。なぜわが国の国会議員が外国人に監視されなければいけないのか。
 まさに、万年野党の正体は竹中平蔵を中心とする新自由主義者の圧力団体である、といっていいだろう。
 5月26日に設立記念イベントを行ったというが、その場所がなんとスターライズタワー。ここはパソナが所有する施設だ。

パソナへの利益誘導。動かぬ証拠─田村憲久厚生労働大臣と竹中平蔵氏の発言

 2013年に労働移動支援助成金が、2億円から一気に300億円に増えた。一体何が起きたのか。
 この謎を説くカギが、同年3月15日に開催された「第4回産業競争力会議」だ。ここで、田村憲久厚生労働大臣と竹中平蔵氏は次のように語っていた。動かぬ証拠だ。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai4/gijiyousi.pdf

田村憲久厚生労働大臣
 政府全体として経済成長に向けた取組を行っていく中で、厚生労働省としても成長に向けた労働政策に全力で取り組んでいく。
 民間議員の方々から頂戴したご意見も踏まえ、構造変化に柔軟に対応できる労働市場の実現、若者、女性の活躍促進に向けた施策を成長のための8つのアクションとして打ち出す。
 産業構造の変化に対して、成熟産業から人材を必要とする成長産業へ、労働者のスキルアップやスキルチェンジにより、失業を経ない円滑な労働移動により対応できる労働市場を目指す。このため、これまでの雇用維持型の政策から、労働移動支援型の政策にシフトする。
 具体的には、雇用調整助成金を大幅に縮小した上で、民間人材ビジネスを活用した労働移動の支援等、労働移動支援助成の抜本的拡充、また、産業雇用安定センターでの出向・移籍支援の強化、さらには、大学等における労働者の学び直し支援に取り組む。続いて、民間人材ビジネスを最大限活用し、労働市場の一層のマッチング機能の強化を目指す。このため、ハローワークの保有する求人情報を民間人材ビジネスや地方自治体に提供するとともに、トライアル雇用奨励金などの雇入れ助成金について民間人材ビジネスを利用した場合でも活用できるようにする。また、学卒未就職者や年長フリーター等が紹介予定派遣を活用して正社員として就職する取組の支援を創設する。

竹中平蔵氏
 労働移動型の解雇ルールへのシフトは大変重要。判例に委ねられているのは、ルールとして不明確であり、明文化すべき。金銭解決を含む手続きの明確化することが必須である。早急に議論を煮詰めていくことが必要である。雇用調整助成金を大幅に縮小して、労働移動に助成金を出すことは大変重要。是非大規模にやって欲しい。今は、雇用調整助成金と労働移動への助成金の予算額が 1000:5くらいだが、これを一気に逆転するようなイメージでやっていただけると信じている。